アートの定期便 Casie for you ユーザーさんの声|大人になるにつれて固定化されていく自分の好みに「冒険」を

コンシェルジュがご要望を伺い、毎月“あなたのためだけ”に作品をセレクトしてお届けする「アートの定期便 Casie for you」。


実際にこのプランをご利用いただいている方に、お話を伺いました。


コンシェルジュとのやりとりや、自分で選ばないからこそ生まれる作品との出逢い、楽しみ方や発見など、アートと豊かに暮らすヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。


〈今回お話を聞いた方〉

Yさん

京都府の一軒家で家族と暮らす40代の男性。青春時代をアートや音楽、映画などさまざまな芸術作品と過ごし、現在はコンサルティング関連の仕事を在宅で行いながら、ご自身の審美眼に叶うもの選びを大事にしている。



届いた作品へのフィードバックは感覚を言語化する時間


ー 「Casie for you」のサービス開始前から、Casieをご愛用いただいているYさん。アートへのご興味はいつ頃からお持ちだったのでしょうか?


高校生の頃から、絵画展に行き、気に入った作品のポストカードを買って部屋に飾るようなことはしていましたね。


今も壁にマグリット※のポストカードを貼っているのですが、こういった作品に触れることで、自分の過信を抑えたり、逆に落ち込んでいる時は鼓舞したりしてきた気がします。


※マグリット(1898-1967)…シュルレアリズムの表現技法で歴史に名を残すベルギーの画家。


大人になった今、当時を考えてみると、若い時って不安もあるし、無根拠な自信が湧くときもある。感情のゆらぎが大きかったりするじゃないですか。そんな中で、アートを通してちょっと違った角度で自分を捉えることができたというか。



ご自宅にはマグリットの画集も



ー そんな風にアートに若い頃から触れてきたからこそ、アートの知見も広いのですね。作品へのそういった感覚は、アーティストの背景や歴史を知って抱いたのですか?


そのときに自分が置かれている状況にも影響は受けるのですが、基本的には直感です。そうやって感じたことに対し、後から答え合わせをするように作家の人生を追ってみたり、時代背景を見てみたり。アートに対する知識は、そんな風にしてだんだんと自然に培われたものですね。絵画作品以外にも、映画や音楽、器などにも昔から興味がありました。



趣味のサックスを楽しむ部屋にも絵が飾られています。作品名《rebirth of memory (B-03)》下田 和弘



コンシェルジュからの直筆メッセージ



ー アート作品や器、造形物のように、美学によって生まれたもの、人に何か感情を訴えかけるものに対しての興味があったのですね。


正直なところ、10代の頃は「そんな自分がかっこいいと思いたい」といった不純な動機もあったと思うんです(笑)。ただ、入り口がそこだったとしても、実際に鑑賞してみると、自分の感情を豊かにしてくれる要素をアートから得ることができました。


仕事ではコンサルティング関連の業務をしているので、論理的に物事を考えることが多いのですが、ここにも「絵画的な美しさ」は大切だと思っています。感覚的な話になってしまうのですが、そういったバックグラウンドのない理論って、お客様の心にも響かないなと感じるんです。


例えば、提案資料を作るときも「自分の好きな絵は余白がこういうところにあったな」とか、思わぬ部分でアートへの関心が役に立つこともあります。



ー Yさんの人生において、アートの存在はかなり大きなものになっているんですね。


そうですね。僕にとってアートに触れることは、人生の「スパイス」ではなく「必要なもの」という位置付けです。



お仕事部屋にも作品がたくさん。うち2枚はCasieが2022年に開催したオークションで落札したもの



通常プランと「Casie for you」を使い分けながら暮らしに取り入れる


ー そもそも、どんなきっかけでCasieを利用しようと思ってくださったのでしょうか?


仕事柄、世の中の新しいサービスに対するアンテナを常に張っている中で「絵のサブスクがあるんだ」と知ったことがきっかけでした。


はじめは「Casie for you」がなかったので、実際にどんな絵がレンタルできるのか見てみたところ、良いなと思う作品が見つかり、ひとまず試しに借りてみるところからスタートしました。ちょうどその頃は家を建て替えた時期で、「ここに絵があったら良いな」と思う場所があったんです。



玄関のドアを開けてすぐ目の前に飾られた作品《ホオズキ【輝】》NIM



ー Casieをご利用いただく前にも、お家に絵を飾ることはありましたか?


名画の写しであったり、ポスター刷りされたものを飾ったりはしていましたが、原画はなかったですね。なので、初めて飾ったときに原画の持つ“強さ”にすごくグッときました。原画が飾れるのは非常にいいサービスだなと思ったのが、一番の印象でしたね。



ー 現在は当初からご登録いただいている通常プランで2枚と、「Casie for you」とをお使いいただいていますよね。これらの使い分けは何かありますか?


通常プランは自分で選ぶので、「この絵をこの場所に飾りたい」と具体的に感じた作品を好きな期間飾れることが醍醐味ですよね。


一方で「Casie for you」で選んでいただくのは、好みを伝えてはいるとはいえ、10,000点以上ある中で自分では絶対に見つけられないような作品です。これが僕にとってはすごく大事だなと思っていて。年齢を重ねていくと、だんだん自分が積み上げてきたものから外れるのが難しくなってくるので、そこを打ち破ってもらいたいという願望を「Casie for you」の方で叶えたいと思っています。


僕は99%自宅で仕事をしているので、「Casie for you」で届く作品は、プライベートな時間を最も多く過ごす場所に飾っています。このときに目につく場所に飾る絵が毎月変わることで、自分の気持ちもどんどん新鮮に切り替えられたらいいなと。



コンシェルジュからの作品紹介



ー 場所や目的に応じて、どんな作品を飾るか考えていらっしゃるんですね。


仕事でどうしても家にこもりがちなので。疲れたときにふと見上げたら絵画があると癒されるので、その存在は大きいです。


仕事部屋にもCasieで借りている絵を飾っているのですが、web会議の相手に「季節感があっていいですね」などとコメントをもらうこともあります。



ー 「Casie for you」でお届けした作品は、次回以降に生かすために毎月フィードバックをいただいていると思うのですが、そのときはどのようなことを考えていらっしゃいますか?


コメントを書いているときは小っ恥ずかしい気持ちもあります。ポエムを書いているみたいで(笑)。でも、届いたときの第一印象と、一週間ほど飾ってみたときの印象って、だんだん自分の中で変わってくるんですよね。そういった感想を素直に書かせていただいていることもあり、最近はそれを踏まえて選んでくださった作品が届いているなと感じます。


とはいえリクエストとしては「冒険したい」に全振りしているので、コンシェルジュさんもセレクトに苦労されているんじゃないかと(笑)。



ー ご遠慮なく、自由にフィードバックもリクエストもしていただいて問題ございません!むしろ、コンシェルジュも皆さまからいただくコメントを毎回楽しみにさせていただいています。フィードバックを書きながら、ご自身の感情に気づくことはありますか?


書きながら気づくというより、自分の中にある感情が人に伝わるように言語化している感じですね。そういう感情は、やっぱり作品と対峙しているときに自分の中にはあるのですが、フィードバックがないとあえて言語化はしないので、いい機会になっています。書くことによって感覚を言語化して、言語化した言葉がまた自分に戻ってくる、みたいな。



「必要のないもの」を削ぎ落とした余白に「美しいもの」を置いて暮らす


ー YさんはCasieが世の中に届けたい「アートライフ」をまさに体現されていると思うので、最後にもの選びの観点をお教えいただきたいです。


良くも悪くも、僕は普段の生活では効率化と合理性を重視するタイプなんです。無駄なものはもちろん買わないし、いろんな作業をシステム化したりとか。でも、これってただ「削ぎ落としたい」わけではなくて。自分が「必要ないと思うもの」を可能な限り減らして、その余白に「美しいと思うもの」を増やしたいというのが基本姿勢にあるのかなと思うんですよね。


例えば、あまり使わない食器がごちゃごちゃたくさんあるよりも、本当に自分が気に入った作家物の食器を置いておくことだったり、家の中のものはなるべく少なくするけれど、その分「生きていく上で必要はない」と思われるかもしれない絵を飾る場所を確保したりとか。


自分が生存していくために必要なものはなるべくミニマムにして、自分の気持ちや心にプラスになるようなものはなるべく増やしたい。その延長線上に、アートや映画、音楽というものがあるのかなと思っています。



アートの定期便 Casie for youはこちらから