コンシェルジュがご要望を伺い、毎月“あなたのためだけ”に作品をセレクトしてお届けする「アートの定期便 Casie for you」。
実際にこのプランをご利用いただいている方に、お話を伺いました。
コンシェルジュとのやりとりや、自分で選ばないからこそ生まれる作品との出逢い、楽しみ方や発見など、アートと豊かに暮らすヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。
〈今回お話を聞いた方〉
Iさん
東京都在住の女性。単身赴任をきっかけに上京。いつか自分の家にも絵を飾りたいと思っていたこともあり、引越しを機にピクチャーレールのある部屋を選択。現在はワンルームで絵と暮らす日々を送っている。
好きなカレンダーを飾ることから気がついた、絵画作品への興味
ー いつも「Casie for you」をご愛用いただきありがとうございます!はじめに、Iさんがいつ頃からアートに関心を持ち始めたのか教えてください。
絵を観るのが好きだと気がついたのは、ここ数年のことです。私は、自分が気に入った絵を静かにじっと鑑賞するのが好きなんですけど、作品に興味があっても、美術館の人混みや、画廊でのコミュニケーションなどがあまり得意ではなくて。だからCasieのサービスを知ったときは、私にすごく合っているなと思いました。
とはいえ、「絵を家に飾る」というのはなかなかできませんでした。家族と暮らす家では自分が気に入った絵を飾る場所を作ることが難しくて。でも、他のことを優先してしまうなかで、「カレンダー選び」には力を入れていて、ささやかな楽しみでした。お気に入りの絵を探すみたいに、作家さんオリジナルのカレンダーなどを見つけては、「この場所にはこのカレンダーを飾ろう」と楽しんでいました。そんなところから、「どうも私は絵を飾ることが好きかもしれないな」と、気づいていきました。
ー Casieのサービス自体は、「Casie for you」をご利用いただく前から知ってくださっていたんですね。
はい。テレビ番組で紹介されていて。偶然でした。絵って一枚買ったらなかなか交換はできないけれど、レンタルできるサービスがあるなんて画期的だなって。でも、当時は先ほどお伝えしたように絵を飾る余裕がなく、CasieのSNSにUPされる作品を楽しませてもらっていました。
▼Casieの公式Instagramはこちら
SNSを通して作品を楽しんでいるうちに「ウチには飾れないな」という気持ちから、「せっかく若手の作家さんが思いを込めて描いていらっしゃるなら、自分も飾ることで応援できたらいいな」と、無意識だったけれどだんだん変わっていったんだと思います。
初めて届いた作品への本音と、後に訪れた感情の豊かな変化
ー 「Casie for you」を利用しようと決意してくださったのは、なにかタイミングがあったのでしょうか?
仕事で単身赴任することになったんです。家族と暮らす家から、東京に一人住まいのアパートを借りることになり、「これは飾れる場所ができるかも」って。家族と離れて暮らす寂しさを紛らわせることもできて、一石二鳥かなって。物件の候補を最終的に2つまで絞った際に、今の部屋にはピクチャーレールがあったんです。実はそれが入居の決め手になりました。
ー Casieをご利用いただくためにそこまで考えてくださったなんて…感無量です。でも、ご自身で好きな作品を選ぶのではなく「Casie for you」の方を選択なさったのは何故ですか?
引越しでの生活も落ち着いてきた頃、Casieのサイトに改めてアクセスしたらちょうど「Casie for you」のサービスが始まっていたんです。一枚の絵を借りっぱなしでいるよりも、月替わりで作品を届けてもらう方がワクワクするかもと思ったのがきっかけでした。
ー 実際に一枚目の作品が届いたときは、どんな印象でしたか?
最初に届く作品はやっぱり「運命の絵」のような気がして、心待ちにしていたのですが、じつは届いた作品は、私にとって“しんどい作品”でした。他の人が観たらむしろ穏やかで素敵な作品だと思うはずなのですが、ちょうど当時、友人と疎遠になってしまったことに悩んでいたので、その作品を観るとどうしてもそのことを連想してしまって。
コンシェルジュからの作品紹介
実際にお部屋に飾っていただいた様子
このことについては、フィードバックのコメントにも正直に書かせてもらいました。「温かみのある作品ですが、物語性のあることが、私には、心が少し波立つというか、タイミングが違ったみたいです」と。
でも、少し経ったらその友人から嬉しい連絡が届いて、するとこの作品の印象もガラリと変わっていったんです。心が落ち着いてから改めて観ると、このmishaさんの絵の技法や、作品の持つ力に癒されるようになって。同じ作家さんの絵もCasieのサイトでチェックして、お気に入りに登録させてもらうほど好きになりました。
「たった一枚の作品でも、こんなにも自分の心理状態によって受け止め方が変わるんだな」と実感できたことが嬉しくて、これもまたフィードバックに書かせてもらって。
ー それは本当によかったです。「mishaさんにもよろしくお伝えください」と書いてくださっていたことをアーティストにも伝えたところ、大変喜んでいました。Iさんにとっての絵は、ご自身の変化を感じるバロメーターのようなものなのでしょうか。
そうですね。最初に届いた作品は自分の受け止め方によってすごく感じるものが多かった一方で、今飾っている絵は「作品自体が発しているエネルギー」を強く感じます。でも、そこに圧倒されるのではなく、元気をもらっているなと。今は「受け止めることができているんだな」と感じるんです。
3回目にお届けした作品《ひめりんご》yurico810
単身赴任用に借りた今の部屋は、ワンルームなので寝室でありリビングでもあります。だからこそ、朝起きて作品が目に入り、出かけて帰ってきたときも、部屋のなかで最初に目に入るのがこの作品です。そこから感じるエネルギーをどんな風に自分が受け止めているのかなと考えることが、自分の心身の状態を振り返る時間になっているのかもしれませんね。
ー 素敵です。そうなると、飾る作品によってお部屋の印象や感じるエネルギーも随分変化しそうですね。
はい。それが面白さでもありますよね。私は「今の自分にしっくりくる絵をセレクトしてもらいたい」という気持ちも強いので、コンシェルジュさんへのフィードバックやリクエストでどんなやりとりをするかが大事だなと思っています。
これまでに「Casie for you」でお届けしたメッセージカードたち。大事に保管してくださっているそう
ー Iさんは、コンシェルジュからのメッセージカードをファイリングして保存してくださっていると知ってとても嬉しかったです。
いつか見返したときに、「あの絵はこんな思いで選んでくださったんだな」と振り返ることができる“自分とアートの変遷”みたいなものができるかなと思っていて。コンシェルジュの方に直接お目にかかることはなかなかないけれど、メッセージのやりとりを通してだんだんと想いが通じ合っていくことがシンプルに楽しいです。
ー そう言ってくださると、本当に嬉しくて励みになります。
4回目にお届けした作品《“豊かさの泉水 L”》Remi
原画にしかないパワーを感じ、絵と暮らす自分自身の発見を楽しんで
ー 最後に、以前のIさんのように、サービスを知ってSNSをフォローしてくださっている方に向けてメッセージなどがあればお伝えいただけますでしょうか?
SNSや公式サイトでどんな作品があるのかをチェックするだけでも十分楽しいのですが、やっぱり生で観る作品は色や立体感がリアルだし、アーティストさんから込められたエネルギーの放出量が全然違っていて。これだけは液晶画面越しには分からない、というのはお伝えしたいです。
原画の作品って、観ている人と共に育つというか。ペットを飼うこととはまた違うけれど、一緒に暮らすことでお互いの関係性が変化していく感覚を味わうことができます。「私ってこんなに気持ちが動くんだな、絵を通してここまで自分の気持ちに気づくんだな」と、生活に豊かさが増したことに、一番びっくりしているのは私自身かもしれません。