総務部が育む“仲間を想う職場文化”
取材にご協力いただいた方
管理本部 総務部長 宮崎さん
営業本部 営業企画部 兼 管理本部総務部 前田さん
導入の背景:統合と総務部長就任を経て
宮崎さん
「2023年に月島機械とJFEエンジニアリングの事業部門が統合し、新会社『月島JFEアクアソリューション株式会社』となりました。私はその後、総務部長に就任しましたが、最初は社員同士がまだよそよそしい雰囲気で……。そこで総務の役割として“融合を促す仕掛け”を考えたんです。その一つがアートでした。」
「アートのサブスク同好会」の立ち上げ
社内のTeamsに「アートのサブスク同好会」を開設。同好会は部署として制度化されたものではなく、社員有志の自由参加型。口コミベースで「入りたい」と声を上げれば誰でも参加でき、負担に感じたらやめてもOKという柔らかい仕組みです。
宮崎さん
「同好会といっても、あまり“仕事としての位置づけ”にはしたくなかったんです。強制感を出すより、“ちょっと面白そうだから入ってみよう”というくらいの温度感の方が続けやすいと思っていました。」
毎月、宮崎さんが「アートのサブスク同好会」にテーマを発表し、メンバーが作品をエントリー。最終的にはあみだくじで決定します。
宮崎さん
「テーマは私がそのときの季節や社内の雰囲気を見ながらざっくり決めています。たとえば9月は“秋を探して”でしたし、春には“桜”といった分かりやすいテーマにしました。あまり堅苦しくせず、“こんな感じで選んでみよう”くらいの柔らかさを残しているのが続けられる理由かもしれません。テーマをきっかけに普段話さない社員同士も意見を交わしていて、それ自体が交流になっていますね。」
前田さん
「テーマが決まると、だいたい4〜5人がエントリーします。中には締め切り直前に“滑り込み”で入る人もいて、毎回ワイワイしています。実は最近、私がエントリーした作品が2回連続で当たったんです。“また前田さんか!”と社内でもちょっとした話題になりました(笑)。」
宮崎さん
「不正はしてませんよ(笑)。あみだくじをするときは毎回みんなで盛り上がり!メンバーで線を書き足したりもして、“今月は誰に当たるかな”と楽しみながら進めています。」
さらに、展示された作品には、社員が独自にキャプションを作成して掲示しています。
宮崎さん
「美術館にあるような解説をやろうと盛り上がって、板を買ってきて毎回文章を貼り出しています。詩のように工夫してくれる社員もいて、単に飾るだけじゃなく“自分たちの展示”になっているのが楽しいですね。」
社内を盛り上げた「めっちゃ桜まつり」
作品を飾っているのは、本社オフィスの入口付近にある通路エリアです。来客も必ず通る導線に位置しており、社員の日常の目にも自然と触れる場所になっています。
印象的だったのは春に実施した「めっちゃ桜まつり」。桜をテーマに3枚の作品を同時展示し、さらに生花を添えて空間を彩りました。
宮崎さん
「社員も来客も“すごい!”と驚いてくれました。単に絵を飾るだけではなく、ちょっとした社内イベントになったんです。」
―― 来年も開催される予定ですか?
宮崎さん
「やらないとあかんと思ってます(笑)。もう恒例行事にしないといけないですね。」
めっちゃ桜まつりで飾られた3作品
運営の工夫と効果
社内の管理体制
・宮崎さん(意思決定)+前田さん(実務)の役割分担
・Teamsを活用した社内メンバーの巻き込み
・あみだくじ方式で参加の公平性と楽しさを確保
Casieの導入で得られた効果
・社員間の会話が増え、部署を超えた交流が活性化
・来客から「明るい雰囲気」と好印象を獲得
・テーマ設定からキャプションづくりまでを通じて参加意識が醸成
・「空間の変化」以上に、「仲間と一緒に楽しむ文化」が育まれた
育まれたのは“仲間を想う職場文化”
今回の事例で強く印象に残ったのは、アートが“職場の愛情表現のツール”になっていたことです。
あみだくじ、めっちゃ桜まつり、キャプションづくり――どれも背景にあるのは「仲間が気持ちよく働けるように」という総務部の想いでした。
総務部が育むのは「仲間を想う職場文化」。Casieはその静かな伴走者となっています。