アーティストがその作品に込めた想いや制作背景を知ることで、アートを一層深く知り、作品に向き合うことができるかもしれません。
今回は川西 郁美さんの作品を一緒に読み解いてみましょう。
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川西 郁美
名古屋芸術大学大学院 美術学部 絵画科 同時代表現コース卒業。
高校卒業を機に、本当にやりたい事を考えた時美大への進学を決意。石膏デッサンと油絵を学び始める。それ以来ずっと絵を描き続けている。
綺麗なものだけ集めて閉じ込めたような、この世界にある良いものを信じることができるようなものきらきら、わくわくしたもの。飾っていて、見るたびに気持ちが上向きになるような、洗われるような、うきうきしてくるような絵を描きたいと語る。
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The garden No.7
W455×H530[mm]
油彩
https://casie.jp/artlist/RB02606
▼アーティストより
画面いっぱいにお花畑のように花を咲かせたシリーズです。実際の花畑の風景というより、花束が視界いっぱいに増幅していくような形にしました。チューリップや薔薇など色んな花々を使って、お花屋さんで可愛いお花に囲まれたときのような感じを出しています。
カラフルな画面はうるさくなりがちですが、パステルカラーを加えたり、色の配置にこだわったりして、華やかだけれど可愛らしく上品な雰囲気に仕上げました。
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ブーケと庭
W227×H158[mm]
油彩
https://casie.jp/artlist/LE00118
▼アーティストより
グリーンのお庭でピンクのブーケを持って、上から眺めている構図で描きました。平面的に見せることで、抽象画のような雰囲気も出しています。パレット上で混色するのではなく、絵の具の色のままキャンバス上で混じり合せることで、透明感を保っています。油彩なので乾きが遅く、素早い筆致で描いていくと絵の具が混ざり合います。偶然にできる色合いの美しさを楽しんでほしい作品です。
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鏡
W531×H455[mm]
アクリル絵の具
https://casie.jp/artlist/RE00544
▼アーティストより
生き生きと踊るように咲く花と、鏡のようにつるんと無機質さという対照的なものをミックスした作品です。とても早い筆致で描くことで、草花の生きている感じを出しています。机や背景も早い筆致で、こちらは物質に沿った硬い無機質な線を表現しています。乾きの早いアクリル絵の具を使うことで、この勢いのある、でも静的な表現に繋がりました。
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Take 3
W410×H320[mm]
油彩
https://casie.jp/artlist/RB02609
▼アーティストより
海を描いたシリーズです。まっすぐな水平線が、抽象画のようにも見せることができそうだと思って描き始めました。海や空は、青色であると考えていましたが、描いていると緑もピンクも紫も、様々な色を使うことになりました。同じ青色の中にもカラフルな色が潜むことで、いつまでも見飽きない美しさになります。どこにどんな色が使われているか、ぜひじっくり見ていただきたい作品です。
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