あの絵を描く、あの人は、どんな人生を送って、どんなことを考えながら生きてきた?
Casieに所属する人気アーティストにインタビューするこの企画。
第22弾は、Art sparkle。島根県出身、東京都在住のアーティスト。画家の他にヘアメイクアップアーティストとしても活躍するArt sparkleさんが描くのは、トキメキの詰まったアルコールインクアート。
ゴールドなどのアクセントを効かせ、彼女なりの「トキメキ」が表現された作品は、数あるアルコールインクアートの中でも飛び抜けたセンスと存在感を放つ。今回は、そんなArt sparkleさんのルーツや作品制作のこだわりに迫ります。
Art sparkle(アートスパークル)
島根県出身、東京都在住の画家 兼 ヘアメイクアップアーティスト。山野美容短期大学卒業後、幼い頃から好きだった「絵」と両立しながら、TVドラマなどのヘアメイクとして活躍する。現在はヘアメイクの仕事を続けながらも、画家をメインに活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/art__sparkle/
幼い頃から頭によぎる「フランスで画家をする自分」
ーー現在、ヘアメイクアップアーティスト 兼 画家として活躍されているArt sparkleさんですが、どちらを志すのが先だったんですか?
Art sparkle :「画家」ですね。幼い頃から絵を描くことがすごく好きで、よく“フランスで絵描きをしている自分”を思い浮かべたりしていました。
↑「もっと」Art sparkle
ーー日本ではなく、フランスなんですね。
Art sparkle :なんと表現したら良いのか分からないんですけど、夢で見るような時もあるし、普段過ごしている中で、その光景がふと頭をよぎるような時もあって。しかも、その「自分」というのが初老の男性なんですよね。
ーーご自身とは、かけ離れた人物像ですよね。自分を客観視しているような感じなんですか?
Art sparkle :そうです。エッフェル塔の方角を向いて、そこで絵を描いていて。それを後ろから見ているような感じなんですよね。幼い頃だけじゃなくて、その光景は今でも時々頭によぎるんです。
ーー何かを意味しているかのようですよね。もしかして、彼の生まれ変わりだったり……!
Art sparkle :(笑)。霊感みたいなものは全くないので、確信はないんですけど、何か今の自分に関係していたら面白いですよね!
↑「トライアングルメロー」Art sparkle
ーー当時からそういう光景が頭の中にあったからこそ、画家になることを意識し始めたんですか?
Art sparkle :それも少しあるかもしれないのですが、単純に絵を描くことが好きだったので幼い頃から「画家になりたい」とは思っていました。でも、結構早い段階で周りの大人に否定されて……(笑)。「もっとすごい人がいるんだよ」とか、「絵描きで食べていくのは難しいよ」とか。それで、絵を描くことを仕事にするのは難しいなって諦めたんです。
ーーなるほど……。仕事としては諦めても、趣味としては描き続けていたんですか?
Art sparkle :そうですね。中学生の頃は、油絵がやりたくて美術部に入ろうとしていました。でも「中学では油絵はやらないよ」って言われたので、バレーボール部に入って、家で絵を描いていましたね(笑)。家で飼っている犬とか、母親の顔とか。当時は今のような抽象画は描いていなかったです。
「ヘアメイク」と「絵」の共通点
ーーその後、ヘアメイクのお仕事を志したのはお母様が美容関係のお仕事をされていたのがきっかけだったとか。
Art sparkle :そうですね。中学校の途中くらいから、「お化粧するのって色々な色とか使うし楽しそう」って思い始めて、メイクする人になりたいなぁとは思っていたのですが、母の姿を見ていたことも影響していると思います。
↑「秋色(3)」Art sparkle
ーー絵を描くこととヘアメイクをすることは、感覚的に似ている部分がありそうですよね。
Art sparkle :似てますね! どちらも筆を使うので、キャンバスに描くのか、顔に描くのか、の違いで。しかも、私が今制作しているアルコールインクの作品は、ドライヤーも使うんです。その点もヘアメイクのお仕事との共通点ですよね(笑)。
ーー偶然にも!!
Art sparkle :たまたまなんですけど、気づけば「あれ同じ道具ばかり持ってるな」って(笑)。
ーー今現在、ヘアメイクのお仕事と画家のお仕事は、どのような比率ですか?
Art sparkle :少し前までは、ヘアメイクのお仕事がメインだったのですが、ここ最近はヘアメイクのお仕事を少し抑えて、画家として絵を描く方に重点を置き始めています。
↑「オアシス」Art sparkle
ーーそれには、何かきっかけがあったんですか?
Art sparkle :やっぱり絵を描くことは、すごく落ち着くんです。自分のペースでじっくりできるじゃないですか。
ーーなるほど。ヘアメイクのお仕事だと、相手が人間ということもあって、時間に追われたりすることも多いですよね。
Art sparkle :そうですね。ずっと続けていた大好きなお仕事なんですけど、そういった点は苦手かもしれないです。
ーーそれでいうと、絵はある程度マイペースに進められますよね。
Art sparkle :はい。「絵」も「ヘアメイク」も正解がないじゃないですか。私がいいと思っていても相手がいいと思うとは限らなくて。ヘアメイクの場合は、相手の求めているものを表現して、それが評価に繋がるんです。でも、絵の場合は「私の表現」を、気に入った方だけが借りてくださったり、買ってくださる。Casieさんにお預けしていると、こっち(絵)のが穏やかでいいなって思うんです。
自然の中にある「ときめきのコントラスト」
ーーArt sparkleさんの作品は、色使いが特徴的ですが、どんなものからインスピレーションを得ていますか?
Art sparkle :例えば、夕日のピンクがかった色味だったり、でもそのすぐ横には青みがあったり。そういう自然の中で見る色彩の組み合わせからインスピレーションを得ることが多いかもしれないです。他にも、草原の草と土の色のコントラストとか。
↑「精鋭」Art sparkle
ーーなるほど。何か感情を込めるというよりも、その綺麗な色彩のコントラストを作品に反映している感じなんですね。
Art sparkle :そうですね。好きな色が合わさっているところを見るとたまらなくて。「うわー、綺麗!」みたいなのを、ずっと繰り返している感じです(笑)。
ーー今まで色々な作品を制作しているかと思いますが、特に「これは最高!」と思える、お気に入りの作品はありますか?
Art sparkle :Casieさんにお預けしている「高貴な行い」という作品ですね。ネイビーとゴールドで、少し暗めの色味なんですけど、自分の中ではすごく気に入っています。世間的には、明るい色味の作品の方が人気だと思うんですけど(笑)。
↑「高貴な行い」Art sparkle
これからも自分なりの「ときめく♡」「きゅーん♡」「わくわく♡」「ウキウキ♡」を込めて、作品を作っていけたらと思っています。
Best Art Spot
Art sparkleさんがアートを感じるスポット
木漏れ日を感じる道
有名なスポットとかではないのですが、近所に木が生い茂った道があって、晴れた日そこを歩くと「木漏れ日」がすごく美しいんです。太陽のキラキラした感じがとても綺麗で。
私自身、作品にもキラキラした色を入れることが好きなのですが、不思議なことにシルバーにはあまり惹かれなくて、ゴールドが好きなんですよね。木漏れ日の色も、私にとっては「ゴールド」に見えるので、そういう面でも惹かれているのかもしれません。
My Rule
Art sparkleさんが絵を描く上でのルール
「制作は、やるべきことを終えてから」
気になることは全て終えてから制作に取り掛かるようにしています。たとえば、家事とかもそうで「あ、あれやっていなかったな」とか、気になってしまうのが嫌で。スッキリした気持ちで制作をできるようには心がけていますね。制作中は、音楽や映像をつけつつも、聴き流すような感じで、絵に集中するようにしています。