絵画の飾り方 / 壁掛けフック使用例をご紹介します

初めて絵画を購入(もしくはレンタル)したものの、いざ飾ってみようとするとどんな金具を使用するのがいいのか。そもそも絵画のちゃんとした飾り方ってどうするのか?

そんなお悩みを今回は1つ1つ解決していきたいと思います。今回は壁掛けの例、つまり何らかの専用フックを使用して壁に穴を開けて飾る事例をご紹介します。


絵画を飾るのに必要なフックの種類


まず自宅の壁に穴を開けて絵画を飾る場合には画鋲のようなフックが必要です。これは飾る絵画の重量だったり、キャンバスなのかそれとも額装されているのかによって異なります。


だるまピン



一見普通の画鋲のように見えますよね!?そうです。ごく普通のプラスチック画鋲(押しピン)です。100均でも購入できるごく身近にあるこのダルマピンを用いて絵画を飾れます。飾り方については後ほどご紹介させていただきます。


だるまフック



先ほどのだるまピンに紐を引っ掛けるようなフックがついたものが“だるまフック”と呼ばれるタイプのものです。特徴は針の差し込み角度が壁に対して斜め下になるように作られているところです。これにより通常の画鋲タイプよりも耐久性が強くなり、約2kgまでの絵画を飾ることができます。(商品説明をしっかり読んで安全荷重をご確認ください)


3本ピンフック



最後にご紹介するのが3本ピンタイプです。こちらはCasieでも普段から使用しているもので上記写真のフックだと安全荷重15kgと広がります。額装されている作品の大半がこちらの3本ピンを使用すると安全に飾ることができます。


だるまピンを使用した絵画の飾り方


それでは早速それぞれのピンやフックを使用して絵画を壁に飾る方法を解説していきます。だるまピンは額装されていないキャンバスの絵画をそのまま壁に飾るのに適しています。

・キャンバスをそのまま飾りたい

・重量が1kg以下

・壁に対してピタっと飾りたい


動画の解説はこちら



上の写真はキャンバス絵画の裏側です。ほとんどのキャンバスの作りが木枠に生地が貼り付けられており、写真のように中央上部分がT字になっています。このT字部分を挟み込むようにだるまピンを平行に差し込みます。この時に注意しなければならないのが、しっかり2つのだるまピンが平行になっていることです。平行になっていないと絵が斜めに傾いてしまいます。



上記写真のように、2つのだるまピンに引っ掛けるようにしてキャンバスをはめ込みます。ガタつかないようにしっかりとハメこむことがポイントです。



しっかりとハメこむことができれば、このように壁に対して隙間なく絵画を飾ることができます。最近では額装せずにあえてキャンバスのまま絵を飾るスタイルがクールだと定着しつつあります。実は画家さんによっては、自分の作品は額装しないで欲しい。匂いや凹凸感を五感で存分に楽しんで欲しいと願う方も増えてきました。


だるまフックを使用した絵画の飾り方


だるまフックを使用して絵画を飾る場合には以下のようなケースが適していますので先にまとめます。

・比較的小さめ(A4サイズ前後)の絵画

・絵画の後ろに紐が付いている

・重量が2kg以下である(額含む)


今回ご紹介するプラスチック製のだるまフックの安全荷重目安は2kgです。それ以上の重さになる絵画は次に紹介する3本ピンフックを使用することをお勧めします。

先ほどのだるまピンの飾り方と一番違うのが後ろに紐が付いているということです。この紐がついている絵画を飾りたい場所にピタリと飾るためには少し工夫が必要です。順を追ってご紹介します。


1.飾る位置を決める



まずは飾る位置を決めます。最終的にフックに紐を通して飾った時の高さをどこにするのかをここで決めます。


2.位置が決まったらマークする



飾りたい位置が決まったら、絵の天井部分にマークをつけます。飾った時に絵の一番天井となる部分にマークをしてください。このマークはシールでも鉛筆で書いてもOKです。(あとで剥がします)


こんな感じですね ▼


3.紐のたるみを測る



次に絵の裏側に通っている紐部分に移ります。これは飾った時に紐のたるみを事前に測り、飾りたい場所にバッチリ飾るために行います。

紐の中心部分を上に引っ張り、そこを0として絵の上部までの距離を測ります。上の写真の場合だと9.5cmとなりました。この測った距離をしっかりと覚えておいてください。


4.フックの余りを測る



忘れがちなのがこのフックの余り部分です。これも事前に計算に入れておかないと飾った時に「あれ?思ったより高さが低いな・・・」ということになってしまいます。

上の写真のだるまフックの余りは2cmでした。一般的に100均やホームセンターで販売されているだるまフックの場合は共通してこの余りは2cmだと思われます。


5.フックを挿す



2でマークした位置から紐のたるみ分(9.5cm) - フックの余り分(2cm)=7.5cmだけ下にだるまフックを挿す位置をマークします。



この位置にしっかりとだるまフックを挿します。基本的な石膏ボードであれば画鋲と同じように指ひとつで挿すことができますが、もし少し硬い場合は金槌などで叩いてしっかりと奥まで挿し込んでください。


6.完成



最後にだるまフックに紐を通して傾きを調整すると、ご覧の通り一番最初にマークした場所が絵の一番天井部分にピッタリと飾ることができました。マークを綺麗に剥がしたら完成です。


3本ピンフックを使用した絵画の飾り方


最後に3本ピンフックを使った絵画の飾り方をご紹介します。3本ピンフックを用いて絵画を飾る場合に適しているケースを以下にまとめます。

・比較的大きめ

・後ろに紐が通っている

・安全荷重10kg以下


安全荷重はあくまで目安です、購入された3本ピンフックに記載されている安全荷重を必ずご確認ください。今回ご紹介する3本ピンフックは安全荷重10kgのものを使っています。

飾り方の要領は先にご紹介しただるまフックと全く同じです。


動画の解説はコチラ


1.飾る位置を決める



飾りたい位置を決めます。飾りたい場所の絵画天井部分にマークをつけます。この時のマークはシールやマスキングテープ、または鉛筆で書いてもらってもOKです。(あとで剥がします、消します)


2.紐のたるみを測る



飾った時に発生する紐のたるみを事前に測り、飾った時に理想の位置にピタリと飾れるようにします。上の場合だと6.5cmです。

この時の注意点はしっかりと紐中央を引っ張りあげて、そこを0として天井部分までの距離を測ることです。


3.フックを挿す位置を決める



最初にマークした位置から真下に6.5cm測ります。6.5cm真下の場所と平行に少しズラした所にもう1つのマークをします。


4.フックを挿す



1と3でマークした場所から接点となる場所に3本ピンフックのフック部分が来るようにセットします。ここからズレないよう慎重に真ん中からピンを金槌で打ち込んでいきます。


5.完成


最後に一番最初にマークしたシールを剥がして完了です。

このように紐のついた絵画を飾る時には、紐のたるみを計算に入れてピンを挿す位置を決めておきます。これによりイメージした場所にしっかりと絵画を飾ることができるようになります。

ぜひ参考にしてみてください。


皆様がアートのある暮らしで毎日がちょっと豊かになることを心から願っております。