遣り取りの茶寮レポート

2023年11月24日(金)~11月26日(日)の3日間、ザ・プリンス京都宝ヶ池 茶寮にてアート展示「遣り取りの茶寮」を開催いたしました。


会場は、普段公開されていないザ・プリンス京都宝ヶ池の茶寮を特別にお借りしました。


アート展示で「遣り取りの茶寮」と聞いて、一体どんなイベントか、すぐにはイメージがつかないかもしれません。私たちはこんなコンセプトで今回の茶寮をつくり上げました。


Concept

背景から、“美しさ”を感じとる体験を。

茶の湯文化が武士たちの間で嗜まれた古の時代。
道具の来歴や、しつらえに込められた趣向を受け取り、
語り合うひとときは、特別な意味を持っていました。

“美しさ”とは、視覚で感じるものだけではなく、
その背景を感じ、遣り取りの中から新たに見出すものでもある。

そんな感覚を現代の人々にお届けするべく、
この度、京都市の「これからの1000年を紡ぐ企業」認定を受けた
Casieが日本の芸術を新たに捉え直し、過去に敬意を払いながら、
ザ・プリンス 京都宝ヶ池の由緒ある茶寮を彩ります。


鑑賞する一人ひとりがアートに向き合い、その背景を感じ、美しさを見出す。そんな空間を目指しました。


茶寮の空間は3つの部屋に分かれています。


「禅」と「侘び寂び」をテーマにした2部屋では、日本画を軸とする2人の現代作家を取り上げ、作品のみならず制作過程や作品に込められた物語までを細やかに伝えます。作品そのものを見て感じていただくにとどまらず、知識を得る豊かさをお届けします。


まず、「禅」をテーマにした部屋。あえて床の間だけにアートを展示し、鑑賞者はその前に座ってじっくりと作品と向き合います。



次に、「侘び寂び」をテーマにした部屋。平面アートと立体アート展示し、アートと出会う空間に。



3つ目の部屋のテーマは「思考と記憶」。インスタレーションを展示します。作品を五感でとらえ、自分自身との対話から生まれる感性に意識を向けられる空間です。直感で得た印象は、時を経ていくにつれて移り変わることもあるかもしれません。そんな、作品を媒介とした遣り取りも感じられる場です。



今回、この展示に参加したのは3名のアーティスト。タニグチカナコさん、柴田 直樹さん、三上嘉啓 [YOSHIHIRO MIKAMI]さん。いずれも京都とCasieにゆかりのある方々です。



今回の「遣り取りの茶寮」は、「Arts Aid KYOTO」という文化芸術の持続的な発展を目指す応援プロジェクトの一環として開催いたしました。


京都市では、厳しい社会経済情勢の下でチャレンジする、アーティストなど文化芸術関係者の意欲的な活動を社会全体で支え、持続的な文化芸術の発展を目指す制度「Arts Aid KYOTO 京都市 連携‧協働型文化芸術支援制度」を2021年に創設しました。


Arts Aid KYOTOは企業や個人の皆さまからいただいたご寄付のうち70%をアーティスト等の活動へ補助金として交付し、30%を京都市が行う文化芸術振興策へ活用する仕組みです。



今回の「遣り取りの茶寮」では、来場された方々にじっくりとアートと向き合う体験をご提供できました。Casieはこれからもアートとの接点を増やしていきます。今後も活動をチェックしていただけましたら幸いです!



Photo by 野口寛彰(アーティストプロフィール写真を除く)