28 JUN 19

-作品のテーマについて-
騒々しくめまぐるしい世界の中にあって、感情や思想を荒々しく押し付けたりすることなく、ふと深呼吸をするように心をリセットできるような、静かで包容力のある寡黙な作品を創れたらと考え取り組んでいる。主として形而上に漂うものを捉えることに関心を持ち、平面作品／塑像作品などの制作を淡々と続けている。
-絵を描くようになったきっかけについて-
フリーランスのデザイナーという仕事をしながら、並行して自分の作品を作り始めたのが20代の終わり頃。そして年月を重ねるごとに平面だけではなく塑像も扱うようになり作品の幅や真剣さが増してきています。
-その他アピールポイント-
作品をどう観るか、何を感じるかは観者に任せたい。私は雰囲気や空気感だけを置いておくので、あとは自由に連想して観て感じてもらえたら良いと考えています。作品と向き合った人が “その人自身の感性” を発見し愉しんでもらえたら良いですね。
-アーティストとしての夢-
変わらず淡々と静かな作品を創り続けていきたい。

騒々しくめまぐるしい世界の中にあって、感情や思想を荒々しく押し付けたりすることなく、ふと深呼吸をするように心をリセットできるような、静かで包容力のある寡黙な作品でありたい。

そのコンセプトを実現するために到達した3つのポイント。

❶モティーフを持たない：意味やメッセージを込めないという目的の達成のために絵筆を左右にだけ動かす手法を用いて制作し、結果として非言語的で美的感覚に直接働きかける画面を構築している。

❷純粋な触媒性を獲得する：一般的な作品では作者の意図を観者が理解することを求められるが、このシリーズの作品には意図は込めていないため、頭を使わない本能的な視覚体験を通して自己の精神の深層と対峙させる。つまり、観者が観て感じて想いを巡らせることで作品が完成に至る。

❸絵画の現代性を体現する：絵画芸術にはそれが創られた背後に流れる時代性が反映される。このシリーズでは、あまりにも膨大な情報で溢れかえっている現代へのアンチテーゼとしての “無情報” という状態を投げかけることで、魂の安息と自己の内省を促す作品として成立させている。

こうしたコンセプトの副産物的な結果として、このシリーズの作品には天地の決まりがないので、飾る方の好みや気分で天地を入れ替えて飾ることもできる。そうすることで生まれる印象の変化も含めて愉しんでいただければ幸いです。