おさるのこうしん

美大卒業後、「流動」をテーマに制作を始める。
影響を受けた人物：岡村吉右衛門、芹沢銈介、富本憲吉、河井寛次郎、柳宗悦、柳兼子、ジョージア・オキーフ、マリーナ・アブラモヴィッチ、ソフィ・カル、オノ・ヨーコ、加藤訓子、スティーブ・ライヒ

- 絵を描くようになったきっかけは?
親が絵描きの家庭で育ち、絵を描く事はごく当たり前の環境でした。型染の技法で版画を制作するようになったのは、岡村吉右衛門氏の作品を見てからです。

- 普段の制作はどのように行なっていますか?
自宅でクラシック音楽のラジオを聴きながらです。ドローイングは寝る前などの少し時間が空いていてリラックスしている時に。ドローイングか落書き
か分からないものをたくさん描いて、その中から形を拾い上げて型にして版画を制作します。

- 作品のテーマにしている事は?
動物の作品については、動物の持つ神性を描きたいという思いがあります。人間の世界では、動物は人間よりも劣ったものという事になっていますが、本来は動物や植物の方が「神」に近い存在と私は感じます。いま取り組んでいる作品は、動物などの具体的な形を描かず、曲線など抽象的な形と色で、瞑想する世界を作りたいと思っております。出品作品は『流動』をテーマにしています。時の流れ、エネルギーの動き、変化と更新を、表現しています。

- これからどのような創作活動をしていきたいですか?
日常を生きている人を深いところで静かに支える事が出来るような。アーティストとして常に新しい表現を追求しています。そして、皆様の生活空間をより寛げるスペースに貢献できればと思います。

ひとつのかたちを複数配置して別のイメージをつくることをコンセプトにした作品です。
「かたちをさがす」がテーマです。

この作品は四匹の猿を輪になるように配置しました。
猿の足や尻尾の形が独特のリズムを生み出して
見ているうちに猿の形が見えなくなってきます。
絵と対話してご自身の内側にあるイメージを見つけてください。

和紙に型染の技法で制作した版画作品です。
「①デザインをして型を彫り②和紙に糊を置いて顔料を摺り込み
③水につけて糊を落とす」という工程で制作しています。

和紙の風合いが判りやすいように、黒い紙を背景にして撮影しています。
繊維を多く漉き込んである、厚手のしっかりとした和紙です。
ぼこぼことした素材の上に顔料で不思議な形が乗っています。
素材感や形や色をじっくりと眺めて対話して頂ければと思います。