10万本の桜

平和の祈りを込めて。見る人の希望や癒しとなるアートを

福島県いわき市出身。筑波大学 芸術専門学群 総合造形専攻卒業。画家・イラストレーター・グラフィックデザイナーとして幅広く活躍中。

ー絵を描くようになったきっかけは?
「大学時代は現代美術を中心に幅広く学んでしましたが、その後は特に創作意欲もなく、10年ほどは筆を置いていました。しかし2011年、故郷の福島県が東日本大震災で被災。ショックを受けました。故郷のために自分に何ができるのか?と考え、自分の個性とライフワークを見つめ直すようになりました。当時勤めていた会社を辞め、1年半の間、国内・海外を回り自分探しの旅をする中で、アートが一番しっくり来て、この道でやっていこうと決心。2013年頃から再び絵を描き始めるようになり、今に至ります」

ー普段の制作はどのように行なっていますか?
「自宅にて、週2、3日、終日絵を描く時間を作って制作しています」

ー作品のテーマにしている事は?ー
「平和への祈りを込めながら描いています。見る方に希望や癒し、前に進む力を、少しでも感じてもらえたらいいなと思っています。また、作品コンセプトを何よりも大事にしています。表現的なこだわりはあまり強くない (常に模索している)分、デザインのようなシンプルなタッチや、リアルタッチなど、表現の幅は広い方だと思います」

ーこれからどのような創作活動をしていきたいですか?
「作品の発表をメインに、アートを通した社会活動もやっていきたいです。今後さらに福島での活動の幅を広げ、地域活性の力になって、地域を代表するアーティストになりたいですね」

250年かけて99000本の桜を植樹し、宇宙からでも見えるような一面の桜あふれる名所を作る「いわき万本桜プロジェクト」。
2011年3月11日の東日本大震災による原発事故で、福島県には負の遺産が残ってしまいました。だからこそ、未来に希望をつなぐものを残そうと、いわきの市民有志によって始まりました。
行政の力は一切借りず、民間のボランティアと寄付によって賄われ進められています。
年を追うごとに少しずつ桜が増え、春になると山がピンク色に染まります。

山里の雰囲気に近づけたくて、キャンバスに和紙を貼って着彩しています。
二羽の鳥は、誰もが一人じゃないよ、必ず自分を愛してくれる大切な存在と一緒に人生の旅路を飛んでいくんだよ、という意味を込めて描いています。
鳥の部分は和紙を切って貼っています。

「十万本の桜」

歴史をつくる
苦労しても後世に永く続く道をつくる
喜びの桜を1本1本植えながら 今はまだ希望を紡ぐ途中
いつか大地いっぱいに広がる桜が
天から見える時を夢見ながら