Michiko Tamura
Michiko Tamura

言葉にならないものを、私は絵にしています。
自然のうつろいの中にふと立ち上がる、感情や記憶の断片。
植物のシルエット、枝の重なりのリズム、記憶の中の風景――
そんな一瞬の“気配”をすくい上げ、かたちにすることが私の表現の核です。

まずは手を動かしてみる。絵の具を重ねたり、削ったり、にじませたり。
そのうちに、自分の奥深くにあった感情や思考が、静かに輪郭を持ち始めます。
私は絵を通して、いつも心の深層と対話しています。

日本画という伝統的な技法を学びながらも、私の作品は決して“きちんとした日本画”ではありません。
金や銀、岩絵具や墨、時には和紙のにじみや素材そのもの...

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