日々に寄り添い、生活に活力と愉しみを与える
広島県出身、東京都在住のアーティスト。武蔵野美術大学造形学部通信課程油絵学科卒業。
- 絵を描くようになったきっかけは?
父がデザイナーをしていた関係で、子供の頃から美術の現場を身近に見て育ちました。当然のように美大受験を希望しましたが、まさかの両親猛反対で地元の普通科大学へ。油彩は独学で続けたものの、仕事での上京をきっかけに一旦中断しました。ようやく再開できたきっかけは、東日本大震災です。何が起きていつ死ぬかわからないなら、いつ死んでも後悔のない生き方をしていたい、それなら「いつか」ではなく「今」やらなくてはと強く思い、仕事を大...
日々に寄り添い、生活に活力と愉しみを与える
広島県出身、東京都在住のアーティスト。武蔵野美術大学造形学部通信課程油絵学科卒業。
- 絵を描くようになったきっかけは?
父がデザイナーをしていた関係で、子供の頃から美術の現場を身近に見て育ちました。当然のように美大受験を希望しましたが、まさかの両親猛反対で地元の普通科大学へ。油彩は独学で続けたものの、仕事での上京をきっかけに一旦中断しました。ようやく再開できたきっかけは、東日本大震災です。何が起きていつ死ぬかわからないなら、いつ死んでも後悔のない生き方をしていたい、それなら「いつか」ではなく「今」やらなくてはと強く思い、仕事を大幅に減らして時間を捻出しました。再開後初めて描いた80号は、震災のボランティアで遭遇した、瓦礫の中で咲くひまわりがモチーフで、二科展初出品初入選。その後プロ作家を目指して基本から専門的に勉強し直すため武蔵野美術大学通信課程に入学、卒業して作家活動に入りました。
- 作品のテーマにしている事は?
わたしの自宅兼アトリエは都内のごく普通のマンションの11階なので、吹き抜けのロフトのような高く広い壁も、郊外のアトリエのような大きい庭もありません。ただ、南西向きのベランダは陽当たりがよくいい風が吹くし、そこから見える夕焼けも、徐々に迎えるトワイライトも都内の夜景も、とても美しくて気に入っています。ベランダの植物も日々変化し、花が咲いて実がなり、アゲハ蝶が来て卵を産み、幼虫からサナギ、蝶になってまた戻ってきたりと、生命の営みに満ちています。テーマやモチーフは、これら半径5メートルの日常の中でみつけることが圧倒的に多いです。日々の継続の中にある「何かキラキラしたもの」をきっかけに、経験してきたことや感じたことを込めてゆくことがわたしにとっての制作であり、吹き抜ける風や降り注ぐ陽の光が画面に感じられるようになれば完成です。見てくださる方の日々に寄り添い、生活に活力と愉しみを提供できるような作品を目指しています。
- これからどのような創作活動をしていきたいですか?
歴史に何かを残せるアーティストを目指しています。絵画だけでなく、立体や版画を制作物に加える予定です。文章や物語を書くことも好きなので、それらと絵とを融合させた制作もしたいです。