東京都出身、千葉県在住のアーティスト。
- 絵を描くようになったきっかけは?
幼少の頃に上野でバーンズコレクション展を見に行ったのがきっかけです。
美術館の外に溢れ返る人の波に圧倒されつつ寒空の下、母とひたすら入館まで並んでいたことを印象深く覚えています。
館内ではかたまりになって殺到する大人の人たちの隙間から時折見え隠れする大きな西洋絵画に興奮しました。
人混みからちらちら見える絵が大勢のファンに囲まれる憧れのスターのごとく生き生きと輝いて感じられたのです。
その時から自分は絵を描く人間になるべきだと思い始めました。
- 作品のテーマにしている事は?
絵画(...
東京都出身、千葉県在住のアーティスト。
- 絵を描くようになったきっかけは?
幼少の頃に上野でバーンズコレクション展を見に行ったのがきっかけです。
美術館の外に溢れ返る人の波に圧倒されつつ寒空の下、母とひたすら入館まで並んでいたことを印象深く覚えています。
館内ではかたまりになって殺到する大人の人たちの隙間から時折見え隠れする大きな西洋絵画に興奮しました。
人混みからちらちら見える絵が大勢のファンに囲まれる憧れのスターのごとく生き生きと輝いて感じられたのです。
その時から自分は絵を描く人間になるべきだと思い始めました。
- 作品のテーマにしている事は?
絵画(もしくはその取り巻く環境も含めて)は心の置き場所であればいいと思います。
何かしらの思いや魂の拠り所となる絵画。
私はいつもそういう絵が生まれたがっているのをお手伝いをしているだけだという感覚があります。
自分という媒体を通して目に見えないものが見える形に翻訳される作業です。
自己の発露がそもそもの絵画制作の発端ではないので、テーマは固定されていないです。
むしろ自分の内面をどんどんニュートラルにして外界のものにとって依り代として機能する絵描きになりたいです。
あえて制作の共通項をさぐるとすれば(話が重複しますが)見えざるものの可視化を目的としています。
翻訳者としての絵描きであり続けたいのです。
そうして生まれた絵が還るべき人や場所に行き着いてくれるならばこれ以上嬉しいことはありません。
視覚的には色の美しい絵を心掛けています。
- これからどのような創作活動をしていきたいですか?
いずれは物語絵に取り組んでみたいです。
例えば谷崎潤一郎や泉鏡花の小説の一場面をありありと眼前に降ろしてくる絵が描きたいです。
それは絵画によって「空間」や「場」を生み出したいということかもしれません。
また、直に人の手を介して生まれたアナログの絵画には筆致によるライブ感が宿ります。
それにより単なる静止画(=時間の固定)ではなく微妙に時間の揺れ動きを持つ生きものに近い何かであると言っても過言ではないと思っています。
そういう目の前にあるだけでどきどきするような絵が描いてみたいです。