北海道出身、現在岩手県在住のアーティスト
- 絵を描くようになったきっかけは?
高校1年生の時夏のスクーリングで一日中美術をするという日がありました。その先生が、「この紙に、夏をお題に絵を描いてください」と言いました。それ以外は何も指定されませんでした。普通、学校の美術の時間には、この技法を使いましょうとか、このモチーフを絶対に入れましょうという課題があると思いますが、先生はそういうことを一切言いませんでした。生まれて初めて「描けるかもしれない」と思った次の瞬間には、シャーペンが動いていました。出来上がった作品を周りのみんなが褒めてくれて、描いてよかったと思いました。もし今も私が...
北海道出身、現在岩手県在住のアーティスト
- 絵を描くようになったきっかけは?
高校1年生の時夏のスクーリングで一日中美術をするという日がありました。その先生が、「この紙に、夏をお題に絵を描いてください」と言いました。それ以外は何も指定されませんでした。普通、学校の美術の時間には、この技法を使いましょうとか、このモチーフを絶対に入れましょうという課題があると思いますが、先生はそういうことを一切言いませんでした。生まれて初めて「描けるかもしれない」と思った次の瞬間には、シャーペンが動いていました。出来上がった作品を周りのみんなが褒めてくれて、描いてよかったと思いました。もし今も私が普通の学校という縛りの強い場所でずっと過ごしていたならば、絵を描こうと思わなかったと思います。周りの人達が優しくて暖かくて、私のことを受け入れてくれるだろうという確信があったからこそ、私はあの時描けたんだと思います。
- 作品のテーマにしている事は?
「こういうものを描こう」というテーマを決めてから描き始めるということは、まずありません。しかし、自分の中で大切にしていることが一つあります。私は生きている中で辛いと思った時に、芸術(音楽、絵、ダンス)に何度も助けられました。芸術があったから今生きていると言っても、私にとっては全く過言ではないです。なので、私は作品を作る時にどこかで必ず、「自分の作品を見てくれた人が、0.1秒でもいいから、嫌なことを忘れて、辛いことがないという瞬間を感じてほしい」というコンセプトで作っています。それはたった一瞬の時間かもしれないけれど、大いに人生を助けてくれると思うからです。込めている想いというのに関しても、自分の無意識というものを大事にして絵を描いています。私は物を沢山考える癖があり、そのせいで自分の中でうまくバランスが取れなくなったりすることがあります。絵画の世界は真逆で、考えないという世界に没頭することができます。手が勝手に動いて、それ以上でもそれ以下でもない感じ。出来上がった作品を見ると、何も考えないで体に任せるままに作ったのに、成立している絵が目の前にある。暮らしの中でふと絵を眺める時、「うん。良いね」と感じられること。心が整えられること。ずっと眺めていられることなどを大切にして、あなたの暮らしを彩り、長く愛される作品作りをしていきます。