PICK UP ARTIST vol.24 wakico.

レトロな風合いの植物に
生命のパワーを込めて。

あの絵を描く、あの人は、どんな人生を送って、どんなことを考えながら生きてきた?

Casieに所属する人気アーティストにインタビューするこの企画。

第24弾は、wakico.。広島県出身、岡山県在住のアーティスト。花や植物をメインモチーフとした作品は、レトロな風合いで親しみやすさを持つ作品は、幅広い世代から人気を集める。また、ポストカードやバッグ、ポーチなど、デザイン性の高いオリジナルアイテムも、日々オーダーが絶えない。

ファッション業界で働いた経験を持つwakico.さんならではのルーツや、作品づくりのこだわりに迫ります。

wakico.(ワキコ)

広島県生まれ、岡山県在住のアーティスト。神戸芸術工科大学 ファッションデザイン学科卒業。東京のアパレル企業にて8年間勤務したのち、岡山県へ移住し真庭市・勝山にアトリエ兼ショップを構える。花や植物をメインモチーフとした作品やアイテムが人気。

Instagram:https://www.instagram.com/wakico.works/

ポストカードが「原画」であることの理由

ーー現在、絵画作品以外にファッション小物などを始めとしたアイテムも制作されているwakico.さんですが、元々はファッション関係のお仕事をされていたとか。

wakico. :はい。大学卒業後は、東京のアパレル企業に就職して、約8年間プレスのお仕事をしていました。

wakico.さんデザインのオリジナルグッズ

↑wakico.さんデザインのオリジナルグッズ

ーーということは、東京で過ごされていた期間も長かったんですね。元々は広島県生まれで、今は岡山県在住ですよね?

wakico. :はい、広島県で生まれて、大学は神戸芸術工科大学に通っていました。そのあと、東京で就職して、結婚を機に現在の岡山県に移住したんです。

ーー本格的に制作活動を始めたのは、岡山県に移住してからとのことですが、それには何かきっかけがあったんですか?

wakico. :最初は、なんとなく「ポストカードなら1日1枚くらい描けるかな」と思って描いていたのですが、ある日近所のギャラリーの方に「うちで販売してみない?」と誘っていただいて。当時は、販売する目的で描いていなかったのですが、描いてばかりだと、たまっていく一方なので、じゃあ販売もしてみようかな? って。

wakico.さんの作品

↑「ギフト」wakico.

ーーそれにしても、ポストカードが「原画」(手描き)というのは、驚きでした! 1枚1枚描くのは、ものすごく大変そうに見えますが……。

wakico. :そうですね。原画をコピーしてポストカードにするのが、一般的だと思うのですが、私の場合は、同じ絵柄のものが在庫としてたくさんの残るのがいやで(笑)。

ーーなるほど(笑)。でも原画であるということは、お客様にとってもすごく価値のあることですよね。

wakico. :そうかもしれないですね。ポストカードを額に入れて飾ってくれる方も多いですし、ポストカードなので、お手紙として誰かに送ってくれたり、時には海外に送ったなんて話を聞くこともあって。送った相手の方が、私の作品を知って購入してくださったり。そういう広がりは、とても嬉しいので、大変だけどこれからも続けていきたいなと思っています。

植物、野菜、虫に惹かれた幼少時代

ーーwakico.さんの作品テーマの一部として「植物の持つ生命力からパワーをもらう」とありますが、お花や植物の魅力のどんな部分に惹かれているのだと思いますか?

wakico. :自然豊かな場所で育ったことも理由にあると思うのですが、東京でアパレルの仕事をしていた時にも、お花との関わりはすごく強くて。プレス業として、展示会をよくやっていたので、お花屋さんを自分で選んで、活けてもらったりすることが多かったんです。そういうこともあって、お花自体にずっと興味を持ち続けてきたんですよね。岡山に来ると、そういう華やかな生け花とかではないですが、東京にはない自然なお花があって、またすごく惹かれて。どちらもすごく好きなんです。

wakico.さんの作品

↑「ひらく」wakico.

ーー大学ではファッションの勉強をされていたwakico.さん。絵を描くことは、昔から好きだったんですか?

wakico. :そうですね。親から聞いた話では、紙とペンさえ渡しておけば黙っているような子供だったみたいです(笑)。当時は、人物とかよりも、模様や植物の絵を描くことが多かったですね。でも、お花はあまり描いていなくて「野菜」とかを描くことが多かったかもしれないです。

ーー「野菜」だったんですね!

wakico. :住んでいた場所が田舎だったのもあって、色々な植物や野菜が身近にあったんですよね。そういうものを自分なりにデザインしたり、模様に変換したりしていました。

wakico.さんの作品

↑「赤い花」wakico.

ーーへー! それは、なんとなく今の作風とも共通点がありそうですね。

wakico. :そうかもしれないです。今も、実物そっくりに描くより、デザイン寄りで描くことが多いですからね。あとは、そんなに頻繁には描かないのですが「細胞」とか、植物をクローズアップしたようなモチーフも好きなんです。あとは幼い頃、「昆虫」がすごく好きでしたね。

ーー昆虫!

wakico. :昆虫は、今も好きなのですが、飼育するとかではなく、「体のつくり」とか「色」を観察するのが好きなんです。変わった色の昆虫とか、造形がすごい昆虫とかいるじゃないですか。それがすごく興味深くて。

ーー普段、その昆虫の絵を描くこともあるんですか?

wakico. :昆虫そのものの絵を描くことは、ほとんどないですね。でも見ること自体はすごく好きなので、色の組み合わせとか模様とか、そういった部分には多少影響を受けているかもしれないです。

アトリエ兼ショップは、つながりの広がる場所

ーー現在は、ご自宅とは別に「アトリエ兼ショップ」も構えられているそうですね。

wakico. :はい、自宅から近い場所に構えています。岡山県真庭市の勝山という場所なのですが、町並み保存地区になっている地域があって。その付近ですね。

wakico.さんのアトリエ

↑wakico.さんのアトリエ(岡山県真庭市)

アトリエ付近の勝山町並み保存地区

↑アトリエ付近にある、勝山町並み保存地区

ーー写真で見ましたが、すごく素敵な町並みですね!

wakico. :絞り染めの暖簾作家さんがいて、その方が手作りした暖簾を町並みに飾っていたりして、観光スポットのような感じですね。なので、観光に来た方や写真を撮りに来た方が、私のアトリエにふらりと立ち寄ってくださったりすることもあるんです。

wakico.さんの作品

↑「ガーベラと机」wakico.

ーー普段は、自宅よりもアトリエにいることが多いんですか?

wakico. :作業する時だけ、アトリエにいますね。事前にお問い合わせいただければ、その時間に合わせてアトリエを開けたりもしています。アトリエを持ってからは、実際にお客様と会ったり、感想を聞けるような機会が増えたので、制作時間もすごく充実するようになりました。

ーーさいごに、現在行なっている販売や展示以外で、これからチャレンジしたいことがあれば教えてください。

wakico. :パッケージデザインに携わるお仕事に、憧れがあります。大学生の頃、ヨーグルトとかのパッケージを集めていて、丁寧にファイリングしていたんです(笑)。それくらいパッケージデザインを見ることが好きで。でも、私自身グラフィックデザインをできる訳ではないので、私が描いたイラストを使ってデザインをしてもらえる機会があったらいいなと思っていますね。

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Best Art Spot

wakico.さんがアートを感じるスポット

旭川(あさひがわ) / 岡山県

wakico.さんがアートを感じるスポット

私のアトリエ近くに流れている、旭川(あさひがわ)の風景がとても好きです。岡山県真庭市・勝山は、町並み保存地区として、観光に来られる方や写真を撮りに来られる方も多い通りなのですが、その通りに沿って流れているので、ぜひ遊びに来た際には見て欲しいですね。

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My Rule

wakico.さんが絵を描く上でのルール

「下書きをしないこと」

作品を描く時は、下書きをしないことがマイルールです。というのも、下書きをするとうまくいかなくなってしまうことが多いんです(笑)。オーダーの作品とかであれば、下準備としてノートなどに下絵や構図のようなものを描くことはあるのですが、キャンバスやポストカードそのものには、下書きをせずに一発で描くようにしています。

あとは、あまり長い時間をかけるとうまくいかないタイプなので、描く時は一気に仕上げることも、私なりのルールかもしれません。

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