PICK UP ARTIST vol.11 吉永 蛍

自分らしくいることが
「アート」で周りを幸せにする秘訣

あの絵を描く、あの人は、どんな人生を送って、どんなことを考えながら生きてきた?

Casieに所属する人気アーティストにインタビューするこの企画。

第15弾は、むらい さき。大阪府に生まれ、2018年に上京。淡く美しい色彩の作品を描く彼女は、まさにイメージ通りの女性でした。

明るい光がさしこむアートの中に秘めた「画家としての覚悟」。むらいさんのルーツと作品の込めた想いに迫ります。

むらい さき

京都芸術高校、京都精華大学 芸術学部 卒業。大阪府出身、東京都在住の絵画アーティスト。2018年に独立し大阪から東京へ。国内外での個展や展覧会への出展などをメインに活躍中。

Instagram:https://www.instagram.com/murai_saki/

幼稚園からの夢を今、現実に

ーー現在東京都在住のむらいさんですが、元々は関西で生まれ育ったそうですね。

むらい さき(以下、むらい) :そうですね。出身は大阪なんですけど、ちょうど2年前(2018年)、独立をきっかけに東京へ引っ越してきました。東京の方がアートのイベントや発表の場も多いので、色々チャレンジできるんじゃないかなと思ったんです。

ーー長く住んでいた場所を離れるのは、結構勇気がいることなのでは?

むらい :そうですね。だいぶ悩みました。多分2、3年くらいは踏み出せず、悩んでいたんじゃないかな……(笑)。周りに知り合いもいないし大丈夫なのかなとか、とにかく不安でしたね。

muraiさんの作品

ーー幼稚園の頃から今まで、ほぼブランクなしに絵を描き続けてるいそうですが、幼い頃はどんな子供だったんですか?

むらい :幼稚園の頃、先生に絵を褒めてもらったのをきっかけに「私は、絵を描いて生きていくんだ」と決意していました(笑)。でも、その反面現実的な部分もあって「絵を描いて生きていくのって、どうすればいいんだろう」とか考えたりもしていたんですけど。

ーー幼稚園の頃から、将来の夢は「画家」だったんですね。

むらい :いえ、実はよく考えた結果、「画家」で生活するのは無理な気がして「漫画家」と言っていました(笑)。もちろん漫画家になるのも難しいんですけど、当時の私には、漫画家として生活していく姿の方が想像できたんですよね。

ーーなるほど(笑)。当時は、どんな絵を描いていたんですか?

むらい :周りの友達が喜んでくれるので、キャラクターの絵をよく描いていました。とにかく人に褒められたり、喜んでもらうことが嬉しくて絵を描いていたっていうのがあるんですけど、それは今も変わらないことかも(笑)。

muraiさんの作品

↑「空と海の絵2」むらい さき

ーー独立を考えるまでには、どんな転機がありましたか?

むらい :高校は京都芸術高校、大学は京都精華大学で油画を学んだのですが、現代美術をやっている周りの人たちに揉まれる生活の中で、「私はやっぱり絵が描きたい」って強く思ったんですよね。そこからは、絵を描きながらも、和菓子屋さんに就職したり、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)でバイトしたりする生活でした。

ーーUSJ!

むらい :USJでは、絵が得意だからという理由で、“フェイスペイント”をやる部署に異動させてもらったりして。でもやっぱり「模写」ではなく「自分の絵」が描きたいなって思ってしまって。その後も、絵1本で生活したいと思いつつも難しくて、時計屋さんで働いたりしながら生活していたのですが、ある日その時計屋さんが倒産しちゃったんですよね。そのピンチをチャンスだと捉え、独立を決意し、今はギリギリ絵1本でやっています。

ーー独立後の主な収入源は、作品の販売やレンタルですか?

むらい :そうですね。オンライン上での作品販売やレンタルをメインに、時にはお客様からオーダーを受け描かせていただくこともあります。

絵を描くことのすべてが「幸せ」

ーーむらいさんの作品は、自然の「光」を感じる色合いが多く、観ていてホッとします。

むらい :嬉しいです。観ている人が、太陽に照らされているような、また、自分の中にもこんな太陽があるような……、まるで“日向ぼっこ”をしているような気分になって欲しいなと思って描いているので。色合いもパキッと明暗をつけるのではなく、優しく明るいイメージを意識しています。世の中には暗いニュースが多いから、ちょっとでもポカポカした気持ちになってくれたらいいなと思っているんです。

muraiさんの作品

↑「空と海の絵1」むらい さき

ーーむらいさんご自身も、爽やかで明るいイメージですが、制作をする中で行き詰まってしまったり、悩むこともありますか?

むらい :家で制作をしている時間は、ひとりぼっちなので「こんなことやってて意味あるのかな」と思ってしまう時も、時々ありますよ。でも、SNSでコメントをもらったり、展示を観て喜んでもらったり、誰かに影響を与えることができたと実感した時は、続けていてよかったなとすごく思いますね。それが励みになっているのかもしれないです。周りの作家さんを見ていると、苦悩しているなぁと思う作家さんが多いのですが、私はその点かなり楽観的かも(笑)。悲観的になってしまう気持ちも痛いほどに分かるので、敢えていい面に視線を向けているんです。だって絵を描いている時って、めちゃくちゃ幸せですし、人の手に渡って飾ってもらっているところを見るのもめちゃくちゃ幸せですからね!

幼き日に決めた、画家としての「覚悟」

ーー今までに個展や展覧会など、様々な場所で展示をしているむらいさんですが、「実際に作品を観てもらうこと」を大切にしている理由は?

むらい :普段SNSなどを通じてコメントをもらうことももちろん嬉しいのですが、やっぱりダイレクトに喜んでもらえることは、また違った感動があると思っています。あとは、作家としての「節目」になっているんですよね。“こういう表現をしている人がいるよ”って、小さいながらも声をあげているような。大きな影響力はないかもしれないですけど、自分にとってはすごく大切な時間ですね。

muraiさんの作品

↑「Happiness」むらい さき

ーー個展や展示の場は、どのように決めますか?

むらい :基本的には、声をかけてもらったらできる限り参加するようにしています。あとは、自分の住んでいる街や、友達の住んでいる街のような、何かしら縁のある土地で展示をすることが多いですね。海外で展示をした時は、友達に薦めてもらった本を読んで、その本の作者さんがやっているギャラリーに直接連絡をしたことがきっかけでした。

ーーすごい行動力ですね!

むらい :だって、私には「絵を描くこと」しかできないですからね(笑)。

ーーむらいさんと話していると、「画家としての覚悟」のようなものをすごく感じます。

むらい :それはあるかもしれないですね。幼稚園の頃から、本当に「これしかない」と思ってやってきたので。自分でも、前世に何があったんだろう……とか思っちゃうくらい(笑)。これからも、私にできることは、全部挑戦していこうと思っています。

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Best Art Spot

むらい さきさんがアートを感じるスポット

地中美術館 / 香川県直島

muraiさんがアートを感じるスポット

(引用:地中美術館公式サイト)

香川県・直島にある「地中立美術館」が好きです。モネの作品が収蔵されている美術館なのですが、美術館の周りもお庭みたいになっていて、瀬戸内海ならではの景色もすごく素敵なんです。関西に住んでいる頃は、距離もそんなに遠くないので、節目節目に訪れていました。

【スポット情報】
香川県香川郡直島町3449-1
http://benesse-artsite.jp/art/chichu.html

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My Rule

むらいさんが絵を描く上でのルール

「自分自身が幸せであること」

muraiさんの作品

集中して絵を描いていると本当に追い込まれそうになるので(笑)、朝起きて夜はちゃんと寝る、規則正しい生活を心がけています。気分転換に散歩をして、太陽の光を浴びたり。 「幸せになってほしい」と言いながら描いているのに、描いている本人が幸せじゃないなんて嫌じゃないですか(笑)。なので、自分自身も最低限幸せな生活を送れるように、気を張らずリラックスして制作しています。

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