様々な面から注目を集めている現代アート。

その現代アートを語る上で欠かせない人物が存在します。

その名も『マルセル・デュシャン』

彼は『アートの鑑賞方法』に革命を起こし、アートを新たなモノへ昇華させました。

そんなすごい人なのにあまり日本では知られてないんです。泣

そんなデュシャンのアートとはどんなもの何でしょうか?

見るアートと思考するアート

デュシャンが残した功績の最大の1つが『アートとは鑑賞者とアーティストとの対話』の解釈を創り出したことです。

デュシャンは彼以前のアートを、目から入る刺激を楽しむ『網膜的絵画』として批判しました。

一目見て「これはすごい」「すごくない」と判断できるアートのことです。

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『民衆を導く自由の女神』ウジェーヌ・ドラクロワ
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『日の出』クロード・モネ

これらのアートでは、線の緻密さや色彩感覚、正確に対象を描くスキルなどなど、絵画の出来を判断するときに目で見て凄さを判断できるようになっています。

彼はそのような目に刺さるアートではなく精神に刺さるアートの展開を希望しました。

デュシャンが訴えているのは、精神に刺さるアートであり、思考を生み出すアートです。

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『泉』マルセル・デュシャン

こちらの作品は、世界一有名な現代アートとも呼ばれる『泉』です。

ただ、男性用の小便器に「R.Mutt」というサインを書いているだけです。

こちらの作品は1917年に制作され物議を醸しました。

予定されていた公募展には出展を許されることはありませんでしたが、この作品は現代アートの始まりとも呼ばれ、アートの考え方を新しく考えることになります。

皆さんはこの作品に何を感じるでしょうか?

「とても素晴らしい作品だ!」と思う方は少ないのではないのでしょうか。

むしろ「なんでこれがアートなんだろう?」と思うのではないのでしょうか?

この考えこそがデュシャンの真髄なのです。

デュシャンの考えるアート哲学

デュシャンはチェスをとても好んだ。
腕前はセミプロ級らしい・・

「なぜ??」と思えるようなアート作品を作っているデュシャンですが、彼の根底にどんなアート哲学があるのでしょうか?

デュシャンにとってのアートとは『思考を楽しむ手段』なのです。

上記に記載している『泉』のように、彼の作品を見た時に「これはなんだろう??」とか「これがなぜアートなんだろう??」と考えるでしょう。

これは、今まで “受動的” に捉えていたアート作品を鑑賞者が “能動的” に考えることでアートが成立する、というデュシャンの考えに乗っ取っているモノです。

つまり、アートとは『一目でわかる美しいもの』ではなく『その作品を根底に思考をめぐらし、鑑賞者の中で成立するモノ』と定義しているのです。

この考え方は現在のアートシーンでも多く見られ、ダミアン・ハーストやバスキアなど、現代アーティスト全ての作品の根底に存在します。


デュシャンの作品

『泉』

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上記でも紹介したように、世界のアートシーンを大きく変えた『泉』

1917年に製作され、小便器に「R.Mutt」とサインをされているだけです。

出展料さえ出せば無審査で出展することのできるニューヨークの展覧会へ出展予定でしたが、こちらの作品は出展拒否。結果異なる展覧会に展示され物議を醸しました。

その後オリジナル作品は紛失。結果現在レプリカしか存在しません。

この作品が示したのは、過去の美術の否定。
眺めるだけの美術は何も意味がいないことを示しました。

「思考の起点になるモノがアートだ」ということを示し、新たな芸術の可能性を切り開いた作品です。

L.H.O.O.Q.

『L.H.O.O.G.』

『L.H.O.O.G.』1919年に作成された作品。

レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』の安物ポストカードに鉛筆で口髭やあごひげを付け加えただけ(?)の作品です。

「これがアート?」って感じですが、これはデュシャンのおふざけです。

しかし、おふざけもアートになり得ます。

この頃は、『ダダイズム』と呼ばれる、今まで正しいと思われてた既成概念を壊していく考えがトレンドでした。

高尚な作品とされていた『モナリザ』
そんなモナリザをおちょくっているかのようなこちらの作品は、今までの芸術史にさよならを告げているようです。

フランス語で書かれた題名を訳すと「彼女はお尻が熱い」。つまり「性的に興奮した女性」という意味です。

これもまたデュシャンのダダイズムが現れているのでしょうか。

この彼のおふざけには、『みんなはアートを真剣に捉えすぎ』という意味が込められているそうです。

彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも

彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも
『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』

1923年に完成したこちらの作品。
絵画でなくオブジェ作品です。

便器にサインを書いただけの『泉』とは対照的に、2枚のガラスやヒューズ線、埃などの素材から、複雑な構成で作られ、8年かけて制作されました。

上にいるのが花嫁。下部分の左側にいるモノが9人の独身達を表しています。

デュシャン曰く、花嫁と独身者。処女性と欲。
理性との間で動く、人間のエロティズムを表しているとこのこと。

しかし、見れば見るほどよくわからなくなるこの作品。

「人間のエロティズムを表しているんだ」なんて言われてもピンときません。

上2つの作品にもあるように、やはりデュシャンの作品の根底には『意味を考えさせればアートになる』という概念があるみたいですね。

まとめ

デュシャンは、受動的だったアートを能動的なアートへと昇華させました。

このデュシャンの試みで「アートがわかりにくくなった」なんてこともあるかもしれません。
しかし、この考えがアートを新たな次元へと進化させたのは事実です。

考えれば考えるほどわからなくなるのも事実。

しかし、その『考える』ということ自体がデュシャンのアートなのです。

言ってしまえば作品自体はなんでもいいんです。『意味』を考える機会を与えてくれるならば。

昔のアートとは違い、現代アートではこの考えが基本となっています。

今日、こんな考えをもとに、新たなスタイルやアート作品が生まれ続けています。

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