ゴッホといえば「ひまわり」や「星月夜」を描いた有名画家です。亡くなって100年以上が経つ今では多くの方に天才画家の1人として認知されています。
しかし、ゴッホが本格的に画家を目指したのは27歳の時。37歳という若さで亡くなったゴッホはたったの10年しか画家として活動していませんでした。そのため生涯で売れた絵は「赤い葡萄畑」という作品のみだったということも有名な話です。
もちろん、天才的な絵の技術、表現豊かな色彩技術のあるゴッホですが、彼には他の人が理解できない不可解な行動を多く起こしています。その中でも代表的なものを3つご紹介しますね。
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誰も手に負えない問題児だが、誰よりも家族想い
ゴッホは1853年にオランダで生まれました。長男として生まれ、3人の妹と2人の妹がいます。
ゴッホの一族は財務大臣や外交官を出したことのある名門一族でした。そのためゴッホは坊ちゃんのように扱われ、裕福な暮らしをしていたと言われています。
しかし、ゴッホの性格は気難しく、すぐに癇癪を起こす少年でした。学校を抜け出したり、同級生と喧嘩をしたりと両親や教師にとっては誰も手に負えない問題児とし扱われました。抜け出した時は学校の近くの海岸に行って絵を描いていたそうです。
ゴッホ自身は「ずっと椅子に座っているのは退屈で耐えられなかった」という言葉を残しています(わがまま)。親戚一同は問題児扱いされまくるゴッホを心配し会議をよく開いていたそうです。その会議もあり、ゴッホは「学校に合わない」と判断され、叔父の画廊で働くことになったそうです。
すぐにカッとなり親には迷惑をかけっぱなしのゴッホでしたが、家族のことは誰よりも大切にしていました。家族の誕生日には得意な絵を描いてプレゼントをしていたそうです。下記は11歳の頃に父親の誕生日に送った絵です。小学生が描いたとは思えない繊細な絵ですね。
また、ゴッホは親だけでなく弟のテオとも仲の良い兄弟でした。兄弟ながら親友のような関係を築き、この弟テオはゴッホの画家人生にとってとても大切な役割をいくつも果たしています。
耳を切断し、好きな女性にプレゼント
ゴッホは1888年にポール・ゴーギャンという画家と南アルルの黄色い家で共同生活を開始します。ゴッホはこの共同生活の中で現在にも語り継がれる「ひまわり」などの多くの作品を制作しました。下記はゴッホが描いた「黄色い家」です。
しかし、お互いの才能に惹かれ、共同生活を始めたゴッホとゴーギャンでしたが、次第に喧嘩が増えてきました。先ほども書いたようにゴッホはすぐにカッとする性格なのです。2人の関係は日に日に悪化しました。我慢できなくなったゴーギャンは「お前の自画像の左耳が変だぞ!!」とゴッホに言ったのです。セリフは私の憶測ですが、ゴーギャンはゴッホの左耳をバカにしました。それにブチギレたゴッホはゴーギャンに殴りかかる…と思いきや、自らバカにされた左耳を切断したのです(聞いただけでも痛い……)。ゴーギャンはゴッホの行動に驚愕し、そのまま家を出て行きました。
耳を切断した後、ゴッホは近所に住んでいる好意を寄せていた女性にプレゼントしたそうです(なんで?)その女性は悲鳴を上げ、警察が駆けつけました。その女性の証言を元に黄色い家に向かった警察は血だらけのゴッホを発見しました。
その後、ゴッホは精神病院に送られ、「耳切り事件」は地元新聞で大きく取り上げられました。
見えるはずのないものを描く
ゴッホは風景や花、人など、すべて自分の目で見たものを描く画家でした。しかし、「耳切り事件」の後に精神病院に入院していたゴッホは不可解なものを描いていました。
これは『星月夜』という作品です。ゴッホが病室から描いた作品だと言われています。しかし、ゴッホの病室からは左にある大きな糸杉や真ん中の下にある教会のようなものはまったく見えなかったそうです。また、夜空を見ても渦を巻いた表現が使われています(吸い込まれそう)。精神病院に入院する前のゴッホの風景画では使われていない表現技法でした。
こちらの『糸杉』も精神病院で描かれました。確かに病院に糸杉はあったらしいですが、こんなにも大きくなかったそうです。また、この作品でも空が渦で表現されていますね。
耳切り事件の後、ゴッホは精神的におかしくなり幻覚が見えていたのではないかと言われています。しかし、『星月夜』などの精神病院で描かれた作品もゴッホファンからは人気があるものが多くあります。不思議な渦に惹かれるのもなんとなく分かります。
終わりに
天才画家ゴッホの理解不能な行動3選、いかがでしたか。とても不思議な人だということは分かりましたね。おそらくゴッホは現代にいたら、「天才」か「変態」として扱われていたのではないでしょうか……。
ただ作品を見るだけでなく、その背景にある出来事を知るとさらに楽しく絵画を鑑賞することができますよ。ゴッホについてさらに詳しく知りたい方は下記の記事も合わせてご覧ください。
そんなゴッホに影響を受けたアーティストをご紹介。ゴッホの作風の面影がある、新たなアート作品をのぞいてみてください!
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