画廊やギャラリーに入ってみたことはありますか?
美術館などと違って、作品に価格が表示されていることもありますし、冊子に価格が記載されている場合もあります。今回は、そのアートの値段について考えてみましょう。
アートの値段を訊く背景にあるものとは?
私は、不定期で行なっている美術展での作品解説サービスで、美術初心者のお客様から「この作品はいくらくらいなの?」と価格を聞かれることもあります。
おそらくその背景には、私たち日本人がテレビ番組などを通して、作品自体の価値を価格という基準にのっとって知ることが多かったからなのでは?と推測しています。
価値が変われば価格も変わる
アート作品の価値は、変動するものと考えても良いかもしれません。
大変人気でファンも多いフェルメールの絵画は、現在、とても高く評価されています。その価値が高額な値段として現れていますが、一時は忘れられた画家の作品でした。19世紀に再評価されるまでは、歴史の表舞台に出ることはない、忘れられた画家だったのです。
その当時に、もしフェルメールの作品がオークションに出ていたら、もしかしたら、私たちでも手に入る価格だったかもしれません。
作品価値とは?
だからこそ、ちょっと考えてみていただきたいのが、目の前にある作品は、あなたにとっていかほどの価値なのか?ということです。元々の原価だけを考えてしまえば、なん十万円もする作品の価値を疑ってしまうかもしれません。
しかし、その作品には作家の想いや哲学が込められています。そういったことを抜きに考えても、その表現に到るまでの莫大な時間と磨かれたスキルが込められていることは確かです。
そのような背景と、あなた自身がどれほどその作品に対して思い入れを持つことができたか。あなた自身にとって、どれほど大切に思える作品なのかが、最も大事なことです。その感覚にしたがって、価格を考えてみるのが、あなたにとっての本当のその作品の価値です。
だれかの価値ではなく、あなたにとっての価値を考えてみてくださいね。
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