「世界一稼ぐ」と言われれるアーティストをご存知でしょうか?

バンクシー?キースへリング?草間彌生?

実は『ダミアン・ハースト』と言う人なのです。

Damien Hirst

日本人にとってはあまり馴染みのないダミアンハースト。

それは、彼の作品が万人に受け入れられるモノではないから、かもしれません・・・・

ダミアン・ハーストとは

日本人にはあまり知られていないダミアン・ハースト
正式名称は、Damien Hirst

1965年、イギリスのブリストルで生まれました。

1986年から1989年の間まで、ロンドン大学のゴールドスミスカレッジでファインアートを学びました。

ロンドン大学在学中に、大手広告代理店 Saatchi&Saatchi の社長 Charles Saatchi (チャールズ・サーチ)のその才能を見出されました。

そのチャールズ・サーチがオーナーである Saatchi Gallery は世界有数の有名ギャラリーでもあります。

1990年代からアーティストとしてのキャリアをスターとさせた彼は、1991年に始めての個展を開催。彼の作品スタイルからさまざまな議論を産みました。

2000年代には、イギリス中、世界中からも最重要なアーティストであると見なされ、作品の流通値・オークションの値段は世界でもトップクラスです。

そんな現代のアートシーンの先頭にたつ彼は、アーティスト長者番付で堂々の1位です。

なんとその推定資産は、約10億ドル!(日本円だと1025億円ぐらい!!)

そんな彼の作品とは一体どんなものなんでしょうか??

ハーストから『死』を考える

ダミアン・ハーストの作品の多くは、『死』を扱っているもの。

ハーストが有名になった作品の1つに、『自然史』シリーズがあります。

生者の心における死の物理的な不可能さ

そのシリーズの中でもとりわけ有名なのが、
『生者の心における死の物理的な不可能さ』

『生者の心における死の物理的な不可能さ』

1991年、イギリス最大のコレクター・チャールズサーチの委託によりに作られた作品。ガラス容器に入ったホルマリンに漬けられている。1900年代のイギリス美術の象徴的な作品とみなされている。

Wikipediaより引用

ガラスで覆われた箱の中に、巨大なイタチザメがホルマリン漬けにされています。

そのホルマリン漬けにされたサメにどんなアートを感じるでしょうか。

サメは本来怖い生き物です。
海を這い回り、人間さえも食べてしまいます。

ホルマリン漬けになったサメはどうでしょうか。

『死』してしまっているはずなのに、どこかリアリティを感じてます。

それは、このサメの表情がそうさせているのか、ホルマリンのブルーが海を連想させているから、なのかもしれません。

このサメが死んでしまっていることはわかっているのに、なぜかちょっと怖く思ってします。

『死』と『生』の境目を感じるような作品です。

また、考えたいのがこの作品名
『生者の心における死の物理的な不可能さ』

これに訳をつけるとすると、
「生きている人は死を直接的に感じることができない」と言った感じでしょうか・・・

もちろん『死』は、生きている人にとっては物理的に体験することのできないモノです。

でも実際『死』というのはなんなんでしょうか?

このサメは死んでしまっていますが、そのリアリティから私たちは少しの恐怖を覚えます。

サメ=怖い、と考えている私たちがこの作品に恐怖を感じるということは、本当にこのサメは死んでしまっていると言えるのでしょうか?

ちょっと哲学的な話になってしまいました 笑

この作品は『死』と『生』の境目を考える理由を私たちに与えてくれているのです。

母と子、分断されて

もう1つ、ハーストと『死』を考える上で紹介したい作品がこちら

『母と子、分断されて』

ホルスタイン種の母牛と仔牛が、鼻先から尻尾まで縦に分断されており、サメと同じようにホルマリンにつけられています。

分断された体はそれぞれ別のショーケースに入れられており、観覧者はその体の境目をも観覧することが可能です。

もしこのような姿で展示されていなかったら、これはただの牛の親子の死骸です。

目の前に広がるのは、ホルマリンに漬けられている死体です。

しかし、この事実をハーストをアートへと昇華させてしましました。

目の前にあるのは死体です。
真っ先に「奇妙さ」や「残忍さ」を心に思い浮かべるはずです。

でもなぜか、恐怖心や気持ち悪さを感じません。
まるで絵画のように、体の断面を眺めている人もいます。

『死』をただの悲惨な情景に限定することなく、新たな存在へと昇華させている。

これがハーストの真骨頂なのです。

ハーストとドクロ

『死」を思い浮かべさせる作品が多いハーストですが、その1つの表現としてドクロを用いた作品があります。

ダミアンハースト  絵画レンタル
『神の愛の為に』

18世紀の人間の頭蓋骨を形どったプラチナに、8601個の純ダイヤモンドで敷き詰められています。

日本円で約38億円で落札され、当時のオークション史上最高額を記録しました。

ドクロはもちろん『死』を表しています。

ダイヤモンドは『生命の存在』

矛盾するこれら2つのものを1つのアートとして成立させ、『メメント・モリ』を成立させています。

メメント・モリとは・・<br>

『メメント・モリ』とはラテン語で、『いつか自分が死ぬことを忘れるな』という意味

なんとこの作品のお値段は、5000万ポンド(日本円だと約73億円ぐらい・・)

この値段は、ご存命のアーティストの中では1番の最高値となっています。

ハーストとビジネス

世界中のアーティストの中で1番の資産家として知られるハーストですが、彼はどのようにしてその資産を築きあげたのでしょうか。

現代アートの観点

もちろんですが、彼の作品が現代アートの中で新たな歴史を作っていることは、1つの要因です。

現代アートにおいては、新たな美術の観点を作ることが評価されます。

例えば、1917年にマルセルデュシャンによって制作された『泉』はただの便器にサインをしてだけ。

ですが新たな美術の観点を作り上げたとして、その功績は多大に評価されています。

マルセル・デュシャン『泉』

ハーストの作品は『死』と『美』の観点をつなぎ合わせ、新たな『死』の観点を作り上げたことにあります。

そんな彼の美術が評価されたことは1つの要因です。

ハーストのビジネス感

アート業界において、拝金主義であることはタブーのようなこと。

アーティストが守銭奴というのは、あまり良い風には思われません。

ハーストはそんな固定概念をぶっ壊しています。

彼はビジネスとしてアート活動を行なっているのです。

アーティストが創作した作品を世の中に流通させる場合は、ギャラリーやディーラーを介して作品を世に送り出すのが基本。

また、日本でもちょっと有名なサザビーズなどのオークションなどは、アーティストは作品を直接そこに送るのではなく、一度お客さんの手に渡った作品がそこへ至ります。お客さんが値段を決めるリサイクルショップみたいな感覚ですね。

ハーストは、ディーラーやギャラリーを通さず、直接作品をサザビーズへかけ、ハースト本人が直接売買を取り仕切りました。

これは、サザビーズが始まって以来初めてのことです。

ちなみにこの時の作品は、約211億円で作品は落札され、当時の現役アーティストの中での史上最高額を記録しました。

大抵のギャラリーでは、販売料金の5割ほどをギャラリー側が得ることができ、残りはアーティストの取り分となります。

(ハーストぐらいのアーティストとなると、もっと数字が違うかもしれません)

オークションとなるとその割合はもうちょっと小さくなります。

このようなところに、ビジネスとしてアート活動を行なっているダミアン・ハーストの側面が垣間見れるような気がします。

『死』なアートのダミアン・ハースト

『死』を美術として昇華させたダミアン・ハーストは世界の中でのトップアーティストの中の一人です。

また、その才能を武器に “タブー” とされている領域にも足を踏み入れ、多くの資産を手に入れることをも可能にしました。

そんな彼の行いは、美術界の中で賞賛と非難にあふれています。

ですが、新たな芸術の価値観を生み出したのも事実です。

誰にも真似することのできない、『死』をテーマに創作を続けるハースト。そんな彼の作品から新たな『美』を体験することができるのではないでしょうか。

『Mickey』

ちなみにこんな可愛いのも作っていたりします・・

ダミアン・ハーストの今後の活動もチェックしていきたいですね。

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