一見ちょっと理解が難しい現代アート。
一言でいうと、「伝統的でなく、古典的でないアート」と言った方がよろしいでしょうか。

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ダミアンハースト『生者における死の物理的な不可逆さ』

こちらの作品は、ダミアンハーストによる『生者における死の物理的な不可解さ』
鉄とガラスに囲まれた巨大な箱の中に、全長4.3メートルのサメがホルマリン漬けになっています。約800万ドル(約8億円)で落札されました。

なぜホルマリン漬けのサメがアートとして成立しているのか?そして、なぜよくわからない現代アートというのがアートのジャンルとして成立しているのでしょうか。

このことを理解することができる方は多くはないと思います。
今回はそんな『現代アート』とは何なのか、を解説したいと思います。

現代アートができるまで

アートそのものの歴史を紐解くことで、現代アートの姿が見えてきます。

アートの歴史

アートとは神への信仰心

紀元前5000年前のエジプトに遡ります。文明の発展とともに、太陽神やラーなどの神々の存在を確立させてったエジプト文明は、神を信仰するための具体的な象徴が必要となりました。そこでアートの出番が登場しました。絵画に神々を描き出すことで、信仰の対象としての確固とした存在を築くことができました。

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同時にギリシアにもアートの文化が広がります。ギリシア神話の神々を信仰するための対象としてのアートが栄ていきます。エジプトとは違い、神々の美しさを追求した作品となっています。

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その後世界の中心地はローマに移り、ローマが経済や政治の中心地になりました。成功した実業家や権力者などの裕福な人に向けて、ギリシア彫刻のコピーが作られ始め、「アートは買うもの」としての概念が広がります。

そしてキリスト教が普及し、協会が様々な場所に建てられるようになりました。協会に飾るステンドグラスや、イエスを描いたモザイク画などが広がります。又、聖書上での事柄や協会での出来事を描いたイコンと呼ばれる聖画が普及します。

イコンの例

その後、ギリシア文化やローマ文化の再興運動が広がったルネサンス期が到来します。アートにおいても同様に、ギリシア文化やローマ文化の再興運動が生じます。あの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロが活躍したのもこの頃です。そのころまではあまり地位が高くなかったアーティストですが、この頃からだんだんと地位が上がり始めます。

ミケランジェロ『ダビデ像」
旧約聖書におけるイスラエル王国の統治者を表している

リアルにどこまで寄せれるか

ルネサンス後も様々な美術様式が誕生していきます。その中の1つにロマン主義があります。
ロマン主義とは、従来の聖書や神を描いた古典的な作風とは違い、恋愛や戦争など様々な分野にての、自由の思想を追求した作品のことです。

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ウジェーヌ・ドラクロワ『キオス島の虐殺』

その自由なロマン主義の流れを受けて、風景画を書いてみたり。

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ウィリアム・ターナー『海の漁師たち』

産業革命により、富の格差が広がった民衆の生活を書いてみたり。

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ジャン=フランソワ・ミレー『落ち穂拾い』

この頃は絵画は、写真としての役割の絵画、という位置付けになっています。
絵画としての個性を出すのはNGで、どれだけリアルに描くことができるか、というのに焦点が当てられています。

絵画に個性が映し出される

リアルな情景を描く絵画が最盛期を迎えていた頃、アート界にとって革命的な2つのモノが誕生します。カメラと絵の具チューブです。

カメラが開発されたことにより、絵画はリアルな風景を記憶するためのモノとしての意味はなくなりました。また絵の具チューブの発明により、アトリエにこもって絵画を描く必要がなくなり、外へ出て絵画を描くことが可能になりました。

どれだけ精密な絵画を描けるとしてもカメラにはかないません。そこで画家たちは新たなステージへと足を踏み入れるのです。

「印象派」と呼ばれる技法では、カメラには映し出すことのできない、自然の緻密な光の色の違いをキャンバスの上で表現しています。

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クロード・モネ『日の出』

『ゲルニカ』で有名なピカソもこの流れを受けて誕生しました。
ゲルニカはキュビズムという絵画様式で、様々な視点から見た姿を一面に表現しています。

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パブロ・ピカソ『ゲルニカ』

リアルを追求するはずだった絵画に個性が加わり、様々な絵画の様式が広がります。

現代アートの登場

世界を巻き込んだ戦争の後、「人間に理性などあるのか?」「そもそも理性ってなんなのか?」と、理性そのものの存在を否定するようになります。理性の否定というのは、意識の否定です。意識的に作ったモノには意味がありません。そのため、ランダムに何かを配置したような作品を作ったり、ランダムに文字を並べた詩のようなモノを作りました。このような活動は数年で終わりましたが、この考え方が次の考えを生み出します。

マルセル・デュシャンの『泉』です。男性用の小便器を横に倒し、"R.Mutt"とサインしただけ。そもそもアートなのか?とツッコミたくなるこの作品は、アートの世界に新たな革新を起こしました。

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マルセル・デゥシャン『泉』

この作品により、アートの見方が変わります。
以前は、その作品の美しさを受動的に感じることができました。
この作品では、作品を鑑賞するときに受動的のままでは何が美しいのか全くわかりません。

もし美術館に展示されているこの作品を見たら「なんでこの作品がアートなの?」と思考を巡らし、「アートとは何か?」「この作品は一体なんなのか?」と考えるでしょう。そうです。その『作品を起点に思考を巡らし、鑑賞者の中で作品が完成すること』このことがアートであると、デュシャンは訴えているのです。

このような考え方を軸に、現代アートの考え方が多岐にわたって行きます。

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