彼の名はパブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ。

誰もがよく知るピカソの長い本名です。ピカソはキュビズムと呼ばれる技法を生み出し、アート界に新たなアートの見方を確率させました。

そんなピカソは作風がめまぐるしく変化した画家として有名であり、それぞれの時期が「◯◯の時代」と呼ばれています。その中でも最も有名な「青の時代」について解説します。

青の時代とは

ピカソが19歳の時に、親友のカスマヘスが自殺したことにショックを受け、そのことが彼の作品に表現されていきます。

「青の時代」と言われる期間は1901~1904年という短い期間でしたが、多くの人に影響を与えました。主に青色を主体とした作品を描き、盲人や娼婦、乞食などの社会の底辺にいる弱者を題材とする作品を描き続けました。

彼の中に渦巻いている負の感情を絵画に表現し、何か新しい感情の表現方法を模索していたのでしょうか。ピカソの青の時代の作品からは「死」「苦悩」「絶望」「貧困」「悲惨さ」「社会から見捨てられた人々」などをメランコリックに表現されているように思えます。

今では「青の時代」という言葉は、孤独で不安な青春時代を表す一般名詞のようになっています。

青の時代に描いた作品

青の時代に初めて描いたと言われている「死せるカサジェマス」という作品です。芸術家の彼は亡くなった友人でも作品として残しました。青ざめたカサジェマスの顔の輪郭をローソクの光りが当たっています。銃で額を打ち抜いた弾の痕を描くのは、ピカソの悲しみは計り知れません。


1901年に描いた「浴槽(青い部屋)」という作品です。青の時代の始まりに位置する重要な作品でもあります。彼が住んでいたアトリエが描かれています。壁にロートレックのポスターが貼ってあります。彼からの大きな影響を受けたと言われています。


「青の時代」を代表する自画像です。当時20歳でしたが、すごく年老いているように見えます。早くして経験した人生の厳しさ、深い悲しみや苦悩を抱えたピカソの心理が、静かな目線となって表れています。繊細に茶色で描かれた髭が、青い作品の中でアクセントとなっていますね。


1902年に描かれた「海辺の母子像」という作品です。ピカソが家族の住むスペインのバルセロナに帰郷していた頃に描かれました。夜の海岸に、母親が幼子を胸に抱いています。ピカソが通った美術学校の目の前に広がる浜辺で、ピカソが親友カサジェマスと過ごした学生時代の思い出の場所だと言われています。母親がまとう衣は、スペイン人が熱心に信奉するキリスト教の、聖母マリアの青いマントを思わせます。蒼白い手を伸ばして赤い花を天へと捧げる姿には、亡き友人カサジェマスへのピカソの祈りが重ねられています。


1903年に描かれた「盲人の食事」という作品です。左手に光をあて、顔の明るさとバランスをとっています。また、盲人にとっての手の重要さを浮かび上がらせています。この作品に写っている男性は生まれつき盲目にかかわらず、画家でした。そんな彼に衝撃を受けたピカソは「視覚がないとはどういうことか」と本質を知るために描きました。


1904年い描いた「ラ・セレスティーナ」という女性の肖像画です。彼女は売春宿の女主人で、残酷そうな表情描いたこの作品は、若きピカソと現実の厳しさとの出会いを象徴しているともいわれています。一度見たら忘れられないインパクトのある作品です。青い色調から浮かび上がる顔の色が美しく、作品全体の青色と見事に調和しています。また、コートの深い青色が、女性の存在感をさらに高めています。

ピカソはなぜ青色を使ったのか

青を使った理由は、青色の絵の具が安かったから、故郷マラガの空や海の色が心に残っていたからとか様々な憶測がなされています。友人の死を境に青色で描くようになったピカソですが、いずれにしても、その「青」によって、悲哀、苦悩、不安、絶望、貧困、社会から見放されて最底辺で生きる人々など、人生の悲劇的で憂鬱な側面を描きだしました。それには、これから絵を売って生きていくピカソの、作品購入者の心理や時代状況を読んだ、“ねらい”があったと言われています。それが、ピカソを若くして成功させた要因になっていたのかもしれません。

青は本来、西洋では「神の色」であり「高貴な色」として使われてきました。西洋絵画の伝統において、青が憂鬱さや貧しさなど負のイメージと結びついて表現されたことはありませんでした。このように、当時の人々が持つ青のイメージは、「遥かなる憧れの色」であり「希望」の色でもあったのです。ピカソは、そのような人々が抱く青のイメージを作品に織り込んで、悲哀に満ちた作品を描きました。

ピカソは「神の色」で絶望や悲しみ、打ちひしがれた人々表現することによって、憂鬱で悲しみに満ちた画面の中に、気品や深い精神性を感じさせました。

ピカソについてさらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

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