アート作品と一言で言っても、その制作方法は作品によって大きく違ってきます。

今回はCasieでお預かりしている作品の代表的な技法を7つご紹介いたします。

  1. 油絵
  2. 水彩画
  3. アクリル画
    • アクリル絵画
    • アクリルガッシュ
  4. 日本画
  5. ペン画
  6. コラージュ
  7. 版画

油彩

油絵の具を使用して描かれる絵画の総称です。油絵具は顔料(着色に用いる粉末)を油で練って作られ、その油が乾くことでキャンバスに定着します。乾くのに時間がかかるため、絵の具を画面の上で混ぜながら描画していくことが可能です。完全に乾いた後は下の色が滲むことなくその上から描き進められるので、アクリル画や水彩画には無い、重厚な画面を作り出せます。写真のように写実的な表現から力強く絵具を塗り重ねていくものまで、作家によって幅広い表現を楽しむことができます。

心の花|シガ リョウタ

イースターエッグ|長谷川 ひとみ

街角|Submarine

水彩画

水彩絵の具という水で溶ける絵の具を使い描く手法です。今回は水彩画と聞いて一番イメージのしやすい透明水彩絵の具を使った作品を紹介します。透明水彩絵の具は重ね塗りをしても下地の色や線が透けてしまうので基本的に紙の色を一番明るい「白」として使います。そのため塗り直しが効かず、事前に色彩の計画やしっかりとした下絵を用意しておく必要があるため、ある程度の絵を描いてきた経験が必要な手法と言えます。キラキラとした透明感のある画面が特徴的で人気が高い手法の一つです。

ハウステンボス|TASHIRO

ベネチアの風景|Mikio Kobayashi

心を映すジュエリー|青山 瑩

アクリル画

アクリル絵具、アクリルガッシュを用いて制作された作品の総称です。生き生きとした色彩が特徴的。

アクリル絵具

原料となる顔料とアクリル樹脂を混ぜたアクリル絵具を水で溶いて使って描かれる絵画です。薄く塗ると水彩画のような表現、厚く重ねていくと油絵のような表現ができ、水彩や油画と比べて速乾性があるので、使い勝手の良い画材と言えます。光沢があり、下地の色が透ける透明色の絵の具です。

南国、ジャングルのオアシス|冬乃 太陽

アクリルガッシュ

こちらもアクリル絵具の一種ですが、アクリルガッシュはマットで光沢のないテクスチャーが特徴的な不透明色の絵具です。ムラやマチエール(画面の素材感)が出にくいためポスターなどの均一に色を塗る作業に適しています。デザイン的な表現との相性が良い画材です。

NIGHT|第4特区

日本画

明治時代に伝わった西洋画(油絵、パステル画、テンペラ画など)に対して作られた日本独自のモチーフや様式、色彩で描かれる絵画の種類の一つです。現在ではそれらの要素による定義は難しく、画材や描く対象によって「日本画」とされることがあります。岩絵具、水干絵具などの粒子状の顔料を膠(にかわ)という牛などの骨や皮から作る接着剤と混ぜ着色し、白色には胡粉(ごふん)という貝殻から作られる絵具を使用します。繊細で儚く、華やかな表現ができるのが特徴。現在では現代美術の影響を受けたモダンなものやイラストレーション作品として作成されたりなど、時代とともに姿を変えた作品が多く見られるようになりました。

花のうつろい|鶴巻 謙郎

Olive|Michiko Tamura

Olive|Michiko Tamura

ペン画

「ペン」1本で描く手法です。ボールペンからミリペン、Gペンなどの身近な画材で制作ができます。

精密に描きこむものから線の特徴を生かしたシンプルなものまで幅広い表現ができるのが特徴です。手法がとてもシンプルな分、世界観を作り出す表現力やデッサン力が求められます。

レトロバス|ハシグチ ハルカ



エリック・サティ線譜《4つのささやかなメロディ》4.Adieu (別れ)詩:レイモン・ラディケ|武 盾一郎

act-97|unknown

コラージュ

無題3|冨永 絢美

写真や新聞、布や木など雑多な要素を組み合わせることで作品を生み出す技法の一つ。「糊で貼る」を意味するフランス語を語源とし、その名の通り印刷物などを切り抜き、画面に貼り付けることで作り上げるのが主な手法。見慣れているモチーフが非現実的な画面に混在することで、違和感とともに不思議な魅力のある世界観を生み出します。

Summer|yama_collage

1|Q-TA

版画

版画は上記の絵画作品とは違い、版を作り紙に刷るという方法を用いて完成させる絵画の種類の一つです。とてもたくさんの技法の幅があり、その中でも大きく4つに分けられ、凸面に絵具をつけ紙に写し取る凸版画、凹部に絵具を詰め紙にプレスする凹版画、面に凹凸を加えず油が水をはじく力を利用し紙に刷る平版画、絵具が通過する穴と絵具が通過しない部分を作ることで紙に刷る孔版画があります。

木版画

木製の版によって制作される版画。彫刻刀などで掘り残した部分に絵の具をつけ、紙にバレンで押し付け染み込ませます。江戸時代には浮世絵木版画が大流行し、版画といえばイメージしやすいものの一つとして日本では定着しました。こちらの作品は水彩絵具を使用した水彩木版画という手法によって完成されました。

降|わたなべなみ

今回ご紹介した技法以外にも紹介しきれないくらいたくさんの技法が絵画作品にはあり、作品、アーティストによって方法は違ってきます。この絵がどうやって描かれたのか、どういう絵具を使って描かれたのかを知るのも絵画の楽しみ方の一つです。そのアーティストにしか描くことのできない絵画を、そういった視点からももう一度見つめ直してみるのもいかがでしょうか?